- 2023/03/13
- 2024/04/11
なぜ、いま自治体・地方がVRを使ったプロモーションを行っているのか【VRでリアルを届ける】
いまやエンターテイメントだけではなく、教育・医療・ビジネス・文化継承などにも活用されるようになってきたVR。実は、そんなVRを活用したプロモーションが、各自治体で活発に行われています。
今回は、なぜ各自治体がVRを使ったプロモーションを行っているのか、そのワケをお伝えします。その後、いくつか事例もご紹介します。
各自治体の広報・PR担当の方々のプロモーションの参考になればと思っていますので、ぜひ最後まで目を通していただけたら嬉しいです。
目次
1.地方がVRを活用するメリットとは?
近年、地方自治体における少子高齢化、財政状態の悪化、過疎化等、課題が山積しています。若者の流出・高齢化率の高まりの影響から、財政収入が減少するという財政悪化の負のループに陥っているようなところも少なくありません。
そういった現状から、「関係人口」という言葉もよく耳にするようになりました。「関係人口」とは定住はしていないが、地域や地域の人々と多様に関わる人々のことを指します。この「関係人口」の創出が地方圏の活性化を目指すうえで大切なキーワードになってきます。
■総務省:「関係人口とは」
時間と距離を越えてリアルを疑似体験できるVRの活用による恩恵は、「関係人口」を創出していくことにもつながっていくかもしれません。
2.地方でVRを使ったプロモーションを行っているワケ
それでは、各自治体でいま、なぜVRを使ったプロモーションが行われているのか、いくつかの視点からお伝えします。
2-1.地域の魅力をVRで伝え、観光を促進
まずはこちら。多くの自治体が観光促進のため、VRを活用しています。VRは、360°を映し、視聴者の意思で視点を変えることができます。まさにそのVRコンテンツの中に入り込んでいるかのような体験をすることができます。
VRによってリアルを届けることで、地域の魅力が大いに伝わり、見た人に「実際に足を運びたい!」と思ってもらうことにもつながります。
2-2.地域の物産をVRで発信し、産業振興に
続いては、産業振興の視点。例えば、伝統工芸の制作過程をVRにて配信すれば、工場の様子や職人の魂を込めた仕事を、遠く離れた地からでもその工芸品の魅力に触れることができます。
今は、オンラインショップが盛んです。VRによって伝統工芸の魅力を伝えることで、全国各地から注文が入るようになるなんてことも。
2-3.VRコンテンツ自体が魅力の一部に
こういった側面もありますね。例えば、歴史的に重要な意味を持つ史跡などは、その価値を古い文章や出土品などを通して伝えています。
しかし、そういった実際の品だけでなく、当時の様子をリアルに知ることのできるようなVR映像があれば、より、その地・歴史に対して愛着を持ってもらうことにもつながります。
2-4.仕事のリアルな魅力を伝え、人口流出対策に
また、自治体をあげて、人口流出対策としてバーチャル会社・工場見学をVRで行っているところもあります。
多くの自治体における人口流出の主な原因は、「職」です。地域の魅力的な仕事をVRを通してありありと伝えることで、人口流出対策に寄与します。
3.地方におけるVRの活用方法
それでは、実際にどんな目的でVRが活用されているのかみていきましょう。
3-1.観光振興
まずは、「観光」という視点。地方には、魅力的でありながら効果的に発信されていない場所がまだまだあります。そういった場所のリアルな魅力を伝えることのできるVRの活用が、観光振興に寄与します。
VRは360度、視聴者主体で楽しむことができます。動画のように切り取られた一部分だけではない、その地の全体的な雰囲気を疑似体験することが可能。YouTube等にアップロードすれば全世界に発信されるため、観光客が訪れるきっかけをつくることができます。
3-2.産業活性化
地方では、若者の流出により「後継車不足」「人手不足」の問題が深刻です。リプロネクストの拠点がある新潟県では、20~24歳の転出者のうち77%もの人々が「職業」を転出の理由としてあげています。(平成30年新潟県「人口移動調査結果報告書」より)
そういった多くの学生や若者は地方企業で働くイメージがついていなかったり、そもそも地元の企業を知らないまま何となく出ていったりしている現状があります。
VRによって、働くイメージをリアルに伝え、魅力をアピールすることによってその会社に合う人を採用できる可能性が広がります。また、子どもたち向けにPRすることによって地元の子どもたちに対して地域産業に関心を持ってもらうきっかけをつくることもできます。
3-3.医療・福祉の充実
地方は病院が少なかったり、病院までの交通手段が無かったりと、医療・福祉サービスを十分に受けられない人も少なくありません。
そういった医療・福祉の現場でもVRは大活躍。VRは距離を越えてリアルを映し出すのです。VRを用いて遠隔で診察を行うサービスや、VRを活用したリハビリサービス等も開発されつつあります。
3-4.U・Iターン促進
U・Iターンの促進にもVRは寄与します。地方にU・Iターンをしようと考えている人にとって、住む場所はとても大切です。ただ、都市部から何度も地方に足を運んで物件の内見をするのは大変な労力がかかってしまいます。
しかし、VRを活用することによって、その建物を全国どこからでも内見することが可能に。
地方での実際の暮らしを手軽にイメージすることができるんです。
4.各自治体のVRを活用したプロモーション事例
自治体におけるVRの活用について具体的にイメージできるよう、ここでは3つ、事例を紹介したいと思います。
- 新潟市江南区魅力発信VR動画
- 東京都 TOHOKU × TOKYO
- 群馬古墳タイムトラベル
4-1.新潟市江南区魅力発信VR動画
まずは、新潟市江南区の魅力発信VR動画。ここでは、「まちの路地」にフォーカスして発信しています。
決して、観光地とは呼べない場所ですが、特徴的な路地の面白さをVRによって伝えられており、この地に対し自然と興味が湧いてくるような動画となっています。きっと路地好きの方にはたまらない場所なんだろうなと感じます。
こういった、地域の細かな魅力を伝えることができるというのも、VR活用のメリットかなと思います。
■YouTubeチャンネル「niigatacitychannel」はこちら
4-2.東京都 TOHOKU × TOKYO
続いては、外国人旅行者に向けたサービスです。東京を訪れる外国人旅行者の中には、日本の文化に興味があり知りたいと思っているが、知ることのできないまま日本を発つような人も多いのだとか。
そこで、VRを活用し、外国の方に少しでも日本の文化・暮らしに触れてもらおうとする取り組みを東京都が行っています。
■TOHOKU × TOKYO WEBページはこちら
4-3.群馬古墳タイムトラベル
最後はこちら。群馬県高崎市にある史跡、観音山古墳と観音塚古墳をVRの世界で体感しながら学ぶというコンテンツです。
現地を訪れ、スマホを古墳にかざすと、建造当時の姿をスマホ上で見ることができるようになっています。当時の姿をいま見ることはできませんが、VRで忠実に再現されているので、より色鮮やかに当時に想いを馳せることができますね。
■群馬県HPはこちら
5.まとめ
VR活用には、様々な可能性があるということを知っていただけたのではないでしょうか。
ただ、VRコンテンツを作って終わりではもったいないです。制作した後、どのように活用していくのか、どのように発信していくのかということもしっかりと考えておく必要があるかなと思います。
是非、自分たちの自治体に合う、効果的なPRの選択肢としてVRの活用を考えてもらえたら嬉しいです。
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