- 2022/12/06
- 2024/04/11
バーチャルツアーでできること・機能一覧【おすすめ機能や事例10選を紹介】
インターネット上で空間や施設のリアルな雰囲気を届けられるツールとして、ビジネスシーンでのバーチャルツアーの活用が進んでいます。
とはいえ、どんなことができるのかよくわからない部分も多いのではないでしょうか。「Googleストリートビューとどこが違うの?」という疑問も多く寄せられます。
この記事では、静止画タイプのバーチャルツアーにどんな機能をつけられるのかをわかりやすくご紹介します。
実際の活用事例もご覧いただけますので、自社での活用イメージを膨らませてみましょう。
目次
1.静止画バーチャルツアーとは
バーチャルツアーは、360°の静止画を視聴しながら、移動できるVRコンテンツです。
バーチャルツアーには大きく2種類の制作方法があり、実際の施設や場所を専用器材を使い、360°撮影して制作するタイプと、現実にはない空間を3DCGで制作するタイプがあります。
操作方法は、皆さんが馴染みのあるものだと「Googleストリートビュー(インドアビュー)」のイメージに近く、進みたい方向へクリックやタップをすると、画面が移動。まるで歩いているかのような体験ができるのが特徴です。
またバーチャルツアーは、移動だけでなく、動画や画像・テキストを表示させることもできます。オンラインとオフラインの融合のような、Web上だからこその表現がかないます。
静止画バーチャルツアーの主な特徴は下記です。
・動画や写真、BGMなどを加えてアレンジができる
・iframeタグを使って、ホームページに埋め込みすることが可能
・限定公開や非公開など、指定した範囲での共有ができる
・ECサイトと連動し、バーチャルショップを作ることが可能
今回は、この静止画バーチャルツアーがどんな機能を追加できるのかをご紹介します。
2.静止画バーチャルツアーでできること・機能一覧
静止画バーチャルツアーとGoogleストリートビューとの大きな違いは「コンテンツ内に様々なアレンジを加えらること」です。早速どんなことができるのか一つずつ見ていきましょう。
・動画/画像/テキスト/資料を追加
・サイトリンクの追加
・ビデオ通話/チャット機能の追加
・Q&A機能の追加
・BGM /ナレーションの追加
・アイコンボタンのデザイン変更
・ツアーマップ/現在地の表示
・サイドメニューの表示
・オープニングページの追加
※編集ソフトによって、一つのバーチャルツアー内に両立できない機能もあります
2-1.動画/画像/テキスト/資料を追加

詳しく説明したい部分にボタンを設置して、動画や画像、テキスト(文字)、資料を追加できます。
情報の深さを見せることで空間の魅力を訴求し、ボタンを埋め込むことで案内板を巡るように移動してもらえるので、回遊性も上がります。
また、ボタンをクリックせずに動画や画像をダイナミックに掲出することも可能です。
2-2.サイトリンクの追加

WebサイトやECサイトへのリンクを掲載できます。
静止画バーチャルツアーを経由したサイトへの流入が見込め、ユーザーの動線を作ることが可能です。
2-3.ビデオ通話/チャット機能の追加

静止画バーチャルツアー内で双方向のコミュニケーションを取ることができます。ビデオ通話機能では、ユーザーと顔を合わせながら空間を案内することも可能。
チャット機能を使えば、ユーザーから届いた質問やコメントに返信ができます。
2-4.Q&A機能の追加
Q&A機能を使ってクイズを追加し、ユーザー参加型のコンテンツとして表現できます。
クイズを設置することで、その施設の歴史や役割・強みについて楽しみながら学べます。
動画での施設案内のように試聴型のタイプは受け身になりがちですが、クイズなど主体的に動けるコンテンツがあると、能動的にバーチャルツアーに触れてもらうことができます。
2-5.BGM /ナレーションの追加
リアルな施設や店舗で流れているBGMを静止画バーチャルツアー内で再現することで、空間の世界観を含めて表現ができます。
ナレーションは言葉で説明を加えたい際に役立ちます。テキストのみでは細かいニュアンスが伝えにくいですが、音声にすることで臨場感と共に届けられます。
2-6.アイコンボタンのデザイン変更

静止画バーチャルツアー内に設置するボタンを自由にアレンジすることができます。
例えば、SNSへのリンクを追加する際に各種SNSのアイコンにすることで、ユーザーは何のボタンなのかを認識しやしくなります。
そのほか、動画へのリンクは「動画」ボタンにするなど、一目でどんなものが見られるのかわかるように設定できます。
2-7.ツアーマップ/現在地の表示
全体像を把握するツアーマップを表示することができます。
静止画バーチャルツアーは操作をしていると「今、敷地内のどのあたりにいるのかわからない」という疑問が生じることがあります。ツアーマップを加えておくことで、ユーザーは全体を俯瞰してみることができ、現在地を認識しやすくなります。
2-8.サイドメニューの表示
静止画バーチャルツアー内に常時サイドメニューを表示できます。
Webサイトへのリンクを追加したり、説明を加えることでユーザーが迷いなく回遊できるよう、サポートする役割があります。
2-9.オープニングページの追加
静止画バーチャルツアーを表示する前に、オープニングページを設定することができます。
操作説明や楽しみ方、ボタンの役割などを表示することができ、初めて静止画バーチャルツアーに触れる方にも、スムーズに進んでもらえます。
3.用途別|静止画バーチャルツアーのオススメ機能
ビジネスにおける静止画バーチャルツアーの活用方法は企業や店舗、自治体によって様々です。ここからは、活用シーンごとに前段で紹介した中でのオススメ機能を紹介。
「工場見学にはこれがおすすめ」など、具体的にお伝えしていきます。
- 施設/店舗紹介
- 工場見学
- 展示会
- 学校紹介/オープンキャンパス
- バーチャルショップ
3-1.施設/店舗紹介
「施設の内部を紹介したい」という時に効果的な静止画バーチャルツアー。住宅の内覧や企業のオフィス紹介、商業施設のフロアガイドとしてなど、幅広く使えるのが特徴です。
▶︎▶︎関連記事:【360°バーチャルツアー】ビジネスの活用方法&事例を紹介
おすすめの追加機能
・動画/画像/テキスト/資料を追加
施設の内部にある「強み」「魅力」となるポイントに情報を追加しましょう。静止画バーチャルツアーは網羅的に空間を見せられますが、細部まで伝わりにくい部分もあります。そこを動画や画像で補うことがおすすめです。
・ツアーマップの表示
「全体の広さも伝えたい」「来館の際に迷わないように」という施設の場合は、ツアーマップを表示させるのがおすすめです。特に広い施設の場合は、導入することをおすすめします。
3-2.工場見学
コロナ禍により、多くの工場がこれまで対面で行っていた見学ツアーを中止・制限せざるを得なくなりました。バーチャル工場見学はいつ・どこにいてもオンラインで工場の様子を見せられるツールとして、注目を集めています。
▶︎▶︎関連記事:VRを活用したバーチャル工場見学とは?作り方や企業導入事例まとめ
おすすめの追加機能
・ビデオ通話/チャット機能の追加
工場には、設備やサービスを理解するのに専門知識が必要な場合があります。特に商談や採用のシーンであれば、ビデオ通話機能でコミュニケーションを取りながら案内すると、相手側に伝えやすくなるでしょう。
・ツアーマップの表示
工場は内部でセクションが複雑に分かれているケースが多くあります。初めて目にした人は「ここは何をする場所なのか」「全体の中のどういった役割なのか」を理解するのは難しいことも。全体像をマップとして表示することで、そうしたストレスを解消することができます。
・Q&A機能の追加
工場見学とQ&Aは相性が良いです。現地での工場見学で、クイズ形式で施設について学んだ経験がある方もいると思います。学生の社会科見学コンテンツとしてはもちろん、幅広い世代の方々に訴求する際に活用されています。
3-3.展示会
新規顧客開拓の場として様々な業界で開催されている展示会ですが、コロナ禍でオンライン化する事例が増えました。
静止画バーチャルツアーはオンライン上の展示会開催にも役立ちます。24時間365日公開することができるので、さらなる顧客層の拡大も期待できるとして注目されています。
▶︎▶︎関連記事:【バーチャル展示会とは】サービス提供企業5社と導入事例を紹介
おすすめの追加機能
・サイトリンクの追加
展示会ではサービスや商品の魅力をPRし、導入の検討や購入へと繋げたいものです。
自社サイトやECサイトへのリンクを効果的に使い、次への動線を作りましょう。
・ビデオ通話/チャット機能の追加
展示会は企業とお客様の大切なコミュニケーションの場です。一方的に情報を届けるのではなく、対話を行う機能を追加するとより成果を生みやすくなります。
バーチャルツアーとコミュニケーションが一体化していれば、ユーザーの離脱を抑えながらアピールできます。
3-4.学校紹介/オープンキャンパス
進学検討者が参加するオープンキャンパスも、コロナ禍によりオンライン化が進みました。
進学先を決める際、学校の雰囲気は重要な検討項目の一つとなるので、Web上でいかに情報を届けるかがカギとなります。
新たなオープンキャンパスの形として、静止画バーチャルツアーを活用した表現が増えつつあります。
▶︎▶︎関連記事:注目のVRオープンキャンパスとは?導入メリットや作り方、最新事例も紹介
おすすめの追加機能
・動画/画像/テキスト/資料を追加
オープンキャンパスにおいて、入学検討者が求める情報は非常に沢山あります。学生の雰囲気/講義の様子/学内行事の雰囲気/サークル活動etc.
そこで、動画や画像を使ってリアルな雰囲気を伝えられれば、安心感を与えられ、進学後の具体的なイメージを届けやすくなります。
・BGM /ナレーションの追加
対面型のオープンキャンパスでは、賑やかさや盛り上がりを参加者に届けられますが、静止画バーチャルツアーでは温度感を伝える部分には課題が残ります。
参加してくれる学生の皆さんに楽しんでもらえるよう、BGMやナレーションをつけてムードを盛り上げるのも良いでしょう。
・Q&A機能の追加
オープンキャンパスにQ&A機能をつけることで、学校の強みを印象的に伝えられます。
「就職率は何パーセント?」「学食で一番人気のメニューは何?」など、学生の興味を引くようなクイズと共に、楽しみながら参加してもらいましょう。
3-5.バーチャルショップ
静止画バーチャルツアーの形を応用して、オンラインとオフラインのハイブリッドのような仮想店舗を作ることができます。お店の雰囲気やブランドの世界観を届けつつ、ECサイトで購入ページまで直結できるとして、アパレル・インテリア・雑貨など幅広いジャンルで導入事例が増えています。
▶︎▶︎関連記事:バーチャルショップとは?導入メリットや作り方、活用事例12選をご紹介
おすすめの追加機能
・サイトリンクの追加
バーチャルショップを作る上で、ECサイトへのリンク追加は必須と言えます。ただリンクを付けるだけでなく、商品動画や写真があれば、一緒に見せることでさらに購入意欲を高めることも。見せ方を工夫しながら商品の魅力を訴求し、ECサイトに繋げましょう。
・ビデオ通話/チャット機能の追加
リアル店舗で気になることをその場でスタッフに相談ができるように、ビデオ通話やチャットを使ってお客様に接客をすることが可能です。
お客様との対話から関連商品のあるフロアを案内したり、実店舗さながらの買い物体験を届けることも。また、一部のお客様のみにサービスを提供したい場合、公開範囲を定めて展開することもできます。
4.静止画バーチャルツアーの活用事例10選
ここからは、VRtipsの運営元・リプロネクストで制作をした静止画バーチャルツアーの事例を紹介します。
- 独立行政法人 国立印刷局
- 法務省 矯正局
- 大阪府河内長野市
- 東京都建設局
- 新潟大学
- 燕三条地場産業振興センター
- 株式会社興和
- 株式会社 難波製作所
- 新潟アルビレックスBB
- 株式会社リプロネクスト
5-1.独立行政法人 国立印刷局|集客・広報
新型コロナウイルスの影響で工場見学ができなくなってしまったため、オンラインで発信したいというご相談からバーチャルツアーをご提案しました。VR展示室では、動画や画像を見ながらお札の歴史・豆知識を学ぶことができます。
私たちが普段触れているお札がどんな風に作られているのかを全国どこからでも見学可能。
ホームページに特設ページがあり、どなたでも閲覧できます。
5-2.法務省 矯正局|広報・採用

法務省のオンライン刑務所ツアー「〜再犯防止施策を学ぼう〜刑務所バーチャルツアー」。
パソコンやスマートフォン、タブレットのブラウザからアクセスすると、刑務所内の様子や取り組みを360°見学することができます。このバーチャルツアーは、刑務所での再犯防止施策の取り組みを広く周知するための広報ツールとして導入されました。
普段は中々知ることができない刑務所内の食事の様子、医療体制、社会復帰に向けた教育活動や職業訓練の様子を学び、最後にはクイズ形式で理解を深めることができます。ホームページにて公開されています。
5-3.大阪府河内長野市|集客・広報

大阪府河内長野市では、市内15社の企業を360°バーチャルツアーで巡る「バーチャルカンパニーツアー」を公開しています。いずれの企業も工場や事業所の様子を360°見学することができ、コンテンツ内に埋め込まれた動画では従業員の生の声などを聞くことも可能です。
バーチャルカンパニーツアーを通し、河内長野市の産業の魅力向上を図るとともに、人材確保や販路拡大に繋げ、市内事業者の競争力強化や市内産業全体の活力向上を目指しています。
▶︎▶︎大阪府河内長野市【バーチャルカンパニーツアー制作】はこちら
5-4.東京都建設局|広報

東京都建設局は、河川施設を紹介する特設サイト「東京都 河川施設 360°バーチャルツアー」を公開中です。サイト内では、普段見ることができない河川施設内部を360°見渡すことが可能。
一つずつの施設が広いため、バーチャルツアーの右下には現在地がわかるツアーマップを表示。全体図を確認してエリア内を巡りながら、好きな場所に移動ができます。
楽しみながら設備への理解を深められるよう、随所に河川PRキャラクターやクイズを設置しています。
▶︎▶︎東京都建設局 【河川施設 360°バーチャルツアー制作】はこちら
5-5.新潟大学|広報

2022年4月9日、10日に新入生向けに開催された「バーチャル黎明祭2022」。参加者である新入生は、キャンパスの敷地内をWeb上で360°回り、随所にあるサークル紹介動画で気になるサークルを見つけたり、構内の様子を巡ります。
コロナ禍で在宅が続く中でも学校の雰囲気を知ってもらい、サークル選びや対面授業が再開した際のイメージを膨らませてほしいという想いが込められています。
▶︎▶︎新潟大学【バーチャル黎明祭2022 制作】はこちら
5-6.燕三条地場産業振興センター|集客・広報

燕三条地場産業振興センターのオンライン上で公開するバーチャル展示会「燕三条ものづくりVR展示館」を制作しました。実際の展示空間を360°カメラで撮影。燕三条エリアの22の企業のブースを360°見学できます。
企業ブースには、動画や企業情報をボタンとして埋め込むことで、PRしたい魅力を訴求。展示台がない壁側にも画像を埋め込み、空間を有効活用しました。画像があることにより展示会のにぎやかさも増しています。いつでも、どこにいても燕三条の優れた加工技術の魅力に触れていただくことができます。
5-7.株式会社興和|研修

建設業の株式会社興和では安全教育コンテンツにバーチャルツアーを活用。PC・スマホ・Meta Quest 2で体験できるマルチデバイス対応で、360°見渡しながら、安全に不備がある箇所を探し、クリック・タップすると正解と解説が出てきます。
スタート時には、使い方画面が表示されるので、初めて使う社員にもわかりやすい構成になっています。その場にいるかのように現場を見渡し、自ら危険箇所を見つけて理解することで、危機管理能力の向上を図ります。
▶︎▶︎株式会社興和 様 【安全研修ナビ(バーチャルツアーver.)】はこちら
5-8.株式会社 難波製作所|集客・採用

精密板金加工メーカーの「難波製作所」は、採用向け&オンライン商談用でバーチャルツアーを導入。工場の雰囲気だけでなく、各設備の理解を深められるように、それぞれのポイントは動画で紹介しています。
こちらのコンテンツは、申請をした方のみが閲覧できる形でコーポレートサイトで公開中です。
▶︎▶︎株式会社 難波製作所【バーチャル工場見学ツアー】はこちら
5-9.新潟アルビレックスBB|バーチャルショップ

B.LEAGUE所属「新潟アルビレックスBB」2020-2021シーズンのバーチャルショップを制作しました。
新型コロナウイルスの影響で、現地での試合観戦や選手との交流の場が減ってしまった中、「グッズを選ぶ楽しさ」「選手を身近に感じてもらえたら」と公開。
選手の側にあるアイコンを押すとメッセージが流れたり、バーチャルショップオープン記念には、ダウンロードできるスマホ壁紙を用意するなど、買い物以外も楽しめる空間になりました。
▶︎▶︎新潟アルビレックスBB【バーチャルショップ制作】はこちら
5-10.株式会社リプロネクスト|採用

最後にリプロネクストのバーチャルツアー導入事例です。採用強化により、2021年10月に採用サイトをリニューアル。一つのコンテンツとして、バーチャルオフィスツアーを掲載しました。24時間いつでもリプロネクストの新潟オフィスにアクセスできます。
リプロネクストには、関東からUターン入社した社員がいますが、選考の過程で一度も来社することなくオンラインで内定が決まりました。
そういったメンバーも今後積極的に採用していきたいため、安心感に繋がるようにと働く環境も全て公開しています。
5.まとめ
静止画バーチャルツアーは、Googleストリートビューと似ているようですが、機能面にフォーカスすると、様々なアレンジができることがお分かりいただけたでしょう。
多彩な機能があるので、オリジナリティー溢れるバーチャルツアーを作りたい方はぜひ参考にしてください。
VRtipsを運営するリプロネクストでは、幅広い業界での制作実績をもとに、集客・採用・広報に役立つ静止画バーチャルツアーの企画から公開までをサポートしています。
活用方法や費用、制作の流れについてはお気軽にお問合せください。