- 2023/03/10
- 2024/04/11
VR×マーケティングとは?業界別の活用事例10選
VRの技術は、アニメやゲームなどのエンターテイメント分野だけでなく、マーケティングやプロモーションなどのビジネスシーンにも広がりつつあります。
VRを使用することで、企業や自治体は商品・サービス・施設の魅力をリアルに届けることができます。
この記事では、マーケティングにVRを活用するメリットや業界別の活用事例を10個ご紹介します。
目次
1.VRとは
VR(Virtual=仮想、Reality=現実)は日本語で“仮想現実”です。
VRゴーグルやヘッドセットを装着してVRコンテンツを再生することで、実際の体験に近い感覚が得られます。
なぜVRゴーグルを装着するとそのような感覚になれるのかというと、映像にリアリティを持たせるためにレンズを通して左右異なる映像を出しているから。人間の目と同じ「視差」を再現しているので、没入感の高いコンテンツになるのです。
2.VRをマーケティングに活用するメリット
続いて、VRをマーケティングに活用するメリットをお伝えいたします。
- 現実に近い疑似体験を届けられる
- 時間や距離の制約がない
- 商品・サービスへの理解度が上がる
2-1.現実に近い疑似体験を届けられる
VRの大きな特徴は、何といっても疑似体験ができることです。プロモーションしたいサービスや施設、商品をVR空間で体験してもらうことができます。
例えば、首都圏のみに店舗があるブランドであれば、バーチャルショップ(VRショップ)を通して地方在住の人にも店舗体験を届けられ、現地への誘客やECの販売力強化が期待できるでしょう。
2-2.時間や距離の制約がない
新規顧客との接点創出に向けて、展示会で商品・サービスを紹介することがありますが、対面型の展示会の場合「距離が遠くて行けない」「時間がなくて行けない」という潜在顧客へのアプローチが困難です。ですが、VRを活用することでオンライン上でリアルな展示会を開催できるため、自宅からでも手軽に参加してもらうことができます。
オンラインだからこそ24時間365日アクセス可能な状態にすることもでき、ユーザーのタイミングでコンテンツを体験してもらえることは潜在顧客へのリーチ拡大の可能性も広がるでしょう。
2-3.商品・サービスへの理解度が上がる
商品・サービスの購入前にVRで疑似体験をしてもらうことで、理解度のアップへとつながります。
気軽に試すことができない業務用の機械などは導入イメージを具体化させ、検討から購入までの期間を短縮する効果も期待できます。
また、仮想空間でブランドの世界観を表現することで、コンセプトやブランドストーリーまでも直感的に伝えられ、商品・サービスをより魅力的に見せることができます。
3.VRマーケティングの届け方/発信方法
続いてマーケティングでVRを活用する際に、どのような届け方があるのかをご紹介します。目的別に2つのパターンをご紹介します。
3-1.大勢の方にVRを届けたい場合
VRを大勢の方に届けたい場合、多くの人が所有しているパソコンやスマートフォンで体験できるコンテンツを用意すると良いでしょう。
本格的なVR体験ができるヘッドマウントディスプレイは、一台当たりの単価が高いことや、デバイスとして広く普及していないというデメリットがあるため、大勢向きではありません。
スマートフォンでVR体験ができるダンボール製VRゴーグルは安価で大量に生産できるので、ノベルティやグッズとして重宝します。
3-2.没入感のあるリアルな体験を届けたい場合
本格的なVR体験で商品やサービスの魅力を伝えたいという場合には、Meta Questのようなヘッドマウントディスプレイを用意すると良いでしょう。
ヘッドマウントディスプレイは
- 社内の展示ルームで常設
- イベント会場での設置
- 商談の際の疑似体験ツール
など、一台持っておくと様々な活用方法ができます。
4.VRマーケティングの活用事例【業界別10選】
ここからは、業界別のVRマーケティング活用事例をご紹介します。
- 観光
- ホテル・宿泊施設
- 大学・専門学校
- 製造
- 自動車
- 不動産
- テーマパーク
- 行政機関・自治体
- イベント
- 酒類販売
4-1.観光
▶︎▶︎小千谷市観光交流課 【観光プロモーションコンテンツ制作】紹介ページはこちら
こちらは新潟県小千谷市の観光プロモーションコンテンツで、アフターコロナでの観光誘致を視野に入れ、小千谷市のリアルな魅力を国内外に向けて訴求する目的で制作しています。
こちらの動画では気球の試乗気分が味わえ、上空から見える雪景色と青空のコントラストを楽しむことができます。
▶︎▶︎関連記事:【VR×旅行】観光業でのVR活用事例12選!活用メリットもご紹介
4-2.ホテル・宿泊施設
北海道にある「ウェスティン ルスツリゾート」は、静止画タイプのVRツアー(バーチャルツアー)を公式サイトに公開しています。
メゾネットの客室のレイアウトはもちろん、窓から見える景色も360°見ることができ、滞在中の様子を具体的にイメージできるでしょう。また、大浴場では脱衣所の広さやサウナの有無なども、バーチャルツアーでじっくりと確認が可能。
解説は日本語・英語に対応しており、海外客へのプロモーションも視野に入れたバーチャルツアーです。
▶︎▶︎関連記事:VRを活用しているホテルの最新事例8選!活用メリットも
4-3.大学・専門学校
▶︎▶︎長岡工業高等専門学校 【バーチャル・キャンパスツアー制作】紹介ページはこちら
こちらは、長岡工業高等専門学校(以下、長岡高専)のVRキャンパスツアーです。
県内外から入学を検討する高校生に向けて、学校の様子をVR動画で公開しています。
VR動画の特徴を活かせるよう、案内役の先生方に動きをつけて見る人の視線を誘導したり、ポップなBGM・テロップで親近感のある雰囲気に仕上げています。
このコンテンツは、長岡高専ホームページにて公開されています。
▶︎▶︎関連記事:注目のVRオープンキャンパスとは?大学・専門学校の導入メリットや最新事例も紹介
4-4.製造
▶︎▶︎株式会社 難波製作所【バーチャル工場見学ツアー】紹介ページはこちら
新潟県長岡市にある精密板金加工メーカー「難波製作所」のバーチャルツアーです。
こちらでは、バーチャルツアーを「オンライン商談の際の営業ツール」、「採用向けの工場案内ツアー」として活用。オンライン商談では、画面共有をしながら工場を案内することで設備の魅力が伝わり、実際に受注に繋げた実績もあります。
工場内は360°公開されているため、不特定多数の人に見られないよう限定公開にして情報を管理しています。
▶︎▶︎関連記事:VRやストリートビューを製造業に導入するメリットとは?活用事例9選
4-5.自動車
日産自動車株式会社は、「VRChat」にバーチャルギャラリー「NISSAN CROSSING」を公開しました。
新車発表会や講演などの催しはもちろん、実際の自動車のデータを元に作ったハイクオリティーな3D自動車を公開し、新たなコミュニケーションの場としても展開しました。
実際にギャラリーに行く前の下見や「気になるけれどショールームが遠くていけない」というユーザーに、効果的にアプローチができるマーケティング事例です。
▶︎▶︎参考:日産自動車株式会社
4-6.不動産
▶︎▶︎ミサワホーム北越【建売物件紹介VRコンテンツ制作】紹介ページはこちら
ミサワホーム北越は、建売住宅の販売促進ツールとしてVR・360°コンテンツを導入。3物件を撮影し、Webサイト/チラシにQRコードの掲載/対面のお打ち合わせ等で活用しました。
導入後は、Webサイトの閲覧数が増え、現場の営業の方からも「あの物件も撮影してほしい」という要望が増えたそう。
住宅検討の際にWebで情報を収集するという傾向が強くなっているため、物件に足を運んだかのように360°見渡すことができるVRコンテンツは有効なPRツールとなり得ます。
▶︎▶︎関連記事:【VR×不動産】住宅のVR内見やバーチャルツアーとは?導入メリットや事例を紹介
4-7.テーマパーク
こちらは富士急ハイランドの公式YouTubeチャンネルで公開されている人気のジェットコースター「ド・ドドンパ」の360°映像。
景色だけでなく風の音も加わり、VRでも思わず目をつぶりたくなるような迫力があります。
通常の動画ではなく、VR動画だからこその臨場感が加わり、実際に足を運んで体験したくなるようなプロモーションコンテンツです。
4-8.イベント
▶︎▶︎TSP太陽株式会社【オリジナル二眼VRゴーグル制作】紹介ページはこちら
2022年5月に東京都・江東区で開催された「第31回森と花の祭典 みどりの感謝祭」。体験プログラム「スマホを使ったVR体験で森の中を自由に散策しよう!」の参加者に、ノベルティとしてスマホ装着型VRゴーグルが配布されました。
プログラム参加者はVRゴーグルを通して、森林散策気分を堪能。
当日は300個のノベルティVRゴーグルが全て配布され、来場者の皆様の満足度も高かったようです。
▶︎▶︎関連記事:企業のVR(バーチャル)イベント事例10選【メリット・開催方法も】
4-9.行政機関・自治体
▶︎▶︎大阪府河内長野市【バーチャルカンパニーツアー制作】はこちら
大阪府河内長野市では、市内15社の企業を360°バーチャルツアーで巡る「バーチャルカンパニーツアー」を公開しています。いずれの企業も工場や事業所の様子を360°見学することができ、コンテンツ内に埋め込まれた動画では従業員の生の声などを聞くことも可能です。
バーチャルカンパニーツアーを通し、河内長野市の産業の魅力向上を図るとともに、人材確保や販路拡大に繋げ、市内事業者の競争力強化や市内産業全体の活力向上を目指しています。
4-10.酒類販売
▶︎▶︎スコッチモルト販売株式会社 【バーチャル・ディスティラリーツアー制作】紹介ページはこちら
富山県にある蒸留所「三郎丸蒸留所」の工場見学気分が味わえるVR動画「バーチャル・ディスティラリーツアー」。
ウイスキーのカスクオーナー契約者の方のみに送付されるオリジナルVRゴーグルで360°蒸留所の見学ができます。
完成するウイスキーをただ待つのではなく、できるまでの裏側や作り手の思い伝えることで、到着までの日々をより豊かにしたいという想いが込められています。
▶︎▶︎関連記事:VRを活用したバーチャル工場見学とは?作り方や導入事例12選
5.まとめ
あらゆる業界でのマーケティング活動に使われているVR。商品やサービスのリアルな魅力を訴求することで、購買意欲の向上や、検討から購入までの期間を短縮する効果が期待できます。
VRtipsを運営しているリプロネクストでは、マーケティングにおけるAR/VRやメタバース活用について企画から制作・運用までサポートしています。「こんな課題解決に役立てたい」「集客にVRを活用する方法を知りたい」など、ぜひお気軽にご相談ください。
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