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XRコンテンツ XR/ARの基礎知識

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  • 2023/02/07
  • 2024/04/11

XRとは?VR/AR/MRそれぞれの技術の違い&事例を紹介

通信環境とテクノロジーの進化により、生活の中で「VR」「AR」を耳にする機会が増えました。

ここで、一緒に覚えておきたいのが「XR(クロスリアリティ)」というワード。
XRは、VRやARといった先端テクノロジーの総称です。

当記事では、XRに含まれるVR、AR、MRの違いとXRをビジネスで活用するメリット、それぞれの活用事例を紹介します。

1.XRとは

XRは「Cross Reality(クロスリアリティ)」の略で、現実世界とデジタルの仮想世界を融合し、現実にはないものを認識できる技術の総称です。Crossの略称がXなので「XR」と略されています。

このXRには、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)が含まれています。
5Gの導入が進みつつある今、エンターテイメント分野だけでなく、ビジネスにおける業務効率化やプロモーションにも役立つとして、注目を集めている技術です。

それでは、XRに含まれるそれぞれの技術の特徴を見ていきましょう。

2.VRとは

スタンドアローン型VRゴーグル 装着イメージ

VR(Virtual=仮想、Reality=現実)は日本語で“仮想現実”です。

見えるもの全てが仮想世界というのがVRの特徴で、その世界に入り込んだような疑似体験が可能。VRヘッドセットや段ボール製のスマホ装着型VRゴーグルなどを使って、360°好きな方向を見ることができます。

また、VRヘッドセットと合わせて手足のセンサーをつけることで、全身の動きを仮想世界に反映させる技術も登場しています。

3.ARとは

AR(Augmented=拡張、Reality=現実)は日本語で“拡張現実”と訳されます。

スマートフォンやAR対応のスマートグラスなどのデバイスを通して見る現実世界に、仮想世界の映像を映し出し、現実と仮想が融合して見える技術です。

VRとの大きな違いは、ベースに現実世界がある点です。身近なコンテンツでいえば、スマートフォンゲーム「Pokémon GO」や、写真加工アプリ「SNOW」で使われている技術もARです。

▶︎▶︎関連記事:AR(拡張現実)とVR(仮想現実)は何が違う?ビジネス&エンタメ活用事例も紹介

4.MRとは

MR(Mixed=複合、Reality=現実)は日本語で

MR(Mixed=複合、Reality=現実)は日本語で“複合現実”と訳されます。MR機能を持ったヘッドセットやメガネを装着すると現実世界を認識し、デジタル情報を表示させる技術です。

AR技術と似ているように聞こえますが、ARは現実世界にデジタル情報を表示するのみであるのに対し、MRでは現実世界にあるデジタル情報を動かしたり、移動させたりすることができます。


デバイスではMicrosoftが開発・販売するMRヘッドセット「HoloLens」が有名で、製造業や建設業を中心に業務効率化に役立てられています。

5.XRがビジネスで注目されている理由

それでは、なぜこれらのXR技術がビジネスにおいて注目を集めているのでしょうか。大きく二つの理由があります。

5-1.通信環境・デバイスの進化

一つ目は、通信環境・デバイスの進化です。

現在、私たちを取り巻く通信環境は、高速次世代通信システム「5G」の実用化に向けて進んでいます。

5Gは10Gbpsの超高速、1/10(1msec以下)の低遅延、1平方キロメートルのエリアで100万台の端末がネットワークに接続できる環境を作り出すため、高画質画像・映像を遅延なくライブ配信したり、タイムラグなしにロボットを遠隔操作できるようになります。XRの技術はデータ量が多いため、5Gが進んでいくことでストレスなく使えるようになり、導入が加速することが予測できます。

同時に、デバイスも進化をし続けています。VRヘッドセットは年々小型・軽量化傾向にあり、最近ではメガネのようなタイプも発売されました。ARグラスも、サングラスのようにファッショナブルなタイプが人気を集め、私たちの日常に馴染むように改良されています。

かつてはショルダータイプだった携帯電話が今は片手におさまるスマートフォンとなったように、今後XRデバイスも小型化し、世の中に普及していくこととなるでしょう。

5-2.労働人口の減少・教育者不足の解決

どの業界でも叫ばれているのが人手不足と、それに伴う教育者不足です。

人手が足りないが故に、教育側に回せる人材がおらず、若手が定着せずに流出してしまうという悪循環が起こるケースも増えています。業務の効率化と安定した教育体制が求められる中、課題解決への糸口となるのがXRです。

例えば製造業の場合、先輩社員がつきっきりで指導を行うのではなく、ARグラスをつけながら作業を行い、次の工程や注意点が表示されることで、必要に応じた作業支援が受けられるようになります。これにより、企業全体の生産性は上がり、新入社員は知識・スキルの向上に繋がるでしょう。

このようにXRを使った体験型コンテンツは、人手不足をカバーするメリットを担うため、経営課題を解決に導くツールとして注目されているのです。

6.XRをビジネスで活用するメリット3つ

ここからは、XRをビジネスで活用するメリットをお伝えします。

  • 業務効率化・教育コストの削減
  • 場所を問わず、活用することができる
  • 長期的に見てコストパフォーマンスが高い

6-1.業務効率化・教育コストの削減

どの業界も日々の業務では効率化が求められています。特に時間もお金もかかる「移動」はできれば避けたいところ。そこでお客様への商談や研修を行う際にXR技術を活用することで、移動しなくてもそれぞれの場所からリアルな雰囲気を伝え、受け取ることが可能になります。

例えば、不動産会社でバーチャルモデルハウスを制作したとします。建物内部を360°体験してもらえれば、完成後のイメージもしやすく、遠隔でもお客様へ効率的にご提案することができるでしょう。

また、建設業であれば完成イメージの3DCGデータを目の前に映し出しながら、遠隔地から進捗上用を確認することもできます。

また、XR技術は社員研修コンテンツにも応用でき、先輩社員の不在時での予習や復習用、または安全研修として使えます。XRで体験を伴いながら知識と判断力を身に付けることができ、教育コストの削減にも繋がるでしょう。

6-2.場所を問わず、活用することができる

XRコンテンツは通信環境とデバイスさえあれば、どこからでも同じように体験してもらえるというメリットがあります。例えば、全国に支店のある大企業の場合、一箇所に社員を集めずとも、バーチャル空間に集まってもらい、各々の支社から社員研修を受けてもらうことが可能です。

国の垣根を超えて3DCGモデルを見ながら進捗確認もできるので、それぞれの居場所に依存せずにビジネスを円滑に進められるのが魅力です。

6-3.長期的に見てコストパフォーマンスが高い

XR技術と聞くと開発コストが高いイメージがありますが、長期的に見るとコストパフォーマンスが高いコンテンツです。

例えば社員研修を集合型で行うとすると、研修場所の確保や移動時の交通費、宿泊費まで考えるとかなりのお金がかかってしまいますが、XRを導入することで、どこにいてもリアルに学べるようになり、移動や宿泊時の費用を削減することが可能になります。

また、XRコンテンツは何度でも繰り返し活用できます。使い切りではないので、商談や研修、広報活動のシーンで多くの方に体験してもらえ、結果的に開発コストを上回る効果も見込めるでしょう。

7.XRのビジネス活用事例8選

最後に、XRのビジネス活用事例を8つ紹介します。VR/AR/MRとそれぞれの特徴とどんな使われ方があるのかを見ていきましょう。

VRの活用事例・技術継承【長岡市IoT推進ラボ/製造】
・教育・研修【The Stanford Virtual Hearts/医療】
・営業・販促【ラストマイルワークス株式会社/住宅】
・展示会【ヤンマーアグリジャパン/農業機械】
ARの活用事例・業務効率化・シミュレーション【戸田建設/建設】
・広報・販促【メニコン/メーカー】
MRの活用事例・業務効率化・シミュレーション【新菱冷熱工業/設備工事】
・営業・販促【総合車両製作所/メーカー】

7-1.技術継承【長岡市IoT推進ラボ/製造業】

VRtipsの運営元・リプロネクストはAI・IoTを活用した事業を行う「長岡市iot推進ラボ」からのご依頼で、技術伝承や研修に役立つVRコンテンツを制作しました。

紹介しているのはプレビュー版ですが、本編では先輩社員の作業工程をVRで撮影し、手元や全身の動きとポイントを確認できるようになっています。

これにより、新米技術者の習熟に要する期間の短縮と、教育コスト削減を目指しています。

7-2.教育・研修【The Stanford Virtual Hearts/医療】

こちらは、スタンフォード大学が開発した心臓について学ぶための教育用VRコンテンツ「The Stanford Virtual Hearts(バーチャルハート)」。

手元のコントローラーで心臓を動かし、様々なパーツをあらゆる角度から観察することができます。また、心臓の中に入るような体験も可能。

実際に心臓を手に取ってよく見る機会は医学生でもほとんどないでしょう。VRを活用することによって理論がリアルと結びつき深い学びを得ることができます。


▶︎▶︎Virtual Hearts 公式サイトはこちら

7-3.営業・販促【ラストマイルワークス株式会社/住宅】

ラストマイルワークスのソーシャルVRサービス「comony homes」では、パノラマ写真やCGを基にして3D空間の制作とシミュレーションサービスを行っています。メーカーから購入できる家具をバーチャル空間に置いたり、部屋の構成を立体的に見ることができます。

また、作成したデータは誰とでも共有可能なため、顧客と不動産業者との情報交換が簡単になります。

モデルハウスを顧客に体験してもらいたい場合や、新たな広告事業を行いたい企業にはオススメです。写真よりも実際に住むイメージがしやすいので、お客様への安心感・納得感にも繋がります。

▶︎▶︎ラストマイルワークス株式会社の公式ホームページはこちら

7-4.展示会【ヤンマーアグリジャパン/農業機械】

ヤンマーアグリジャパン オンライン EXPO2021 WWINTER 画面

農業機器の販売・メンテナンスを行なっているヤンマーアグリジャパン株式会社が提供する「ヤンマーアグリジャパン オンライン EXPO2021 WINTER 」です。

展示会はフルCGで開催されており、展示会会場へ進むと、機材の種類ごとにコーナーが開設されています。

それぞれの機材コーナーには、さまざまな製品が並んでおり、製品の詳細や紹介動画を見ることも。

たくさんの商品が並んでいるだけでなく、サポート・メンテナンスコーナー、さらにはオンライン商談への導線もあるので、リード獲得へと繋がりそうです。


▶︎▶︎ヤンマーアグリジャパン オンライン EXPO2021 WINTER 特設サイトはこちら

7-5.業務効率化・シミュレーション【戸田建設/建設】

戸田建設 建機AR
出典:戸田建設プレスリリース

戸田建設が開発した「建機AR」。タブレットを工事現場にかざすことで建設機械の3Dモデルが画面上に表示されます。

これまで、図面上は建機の設置が可能であった場合も、近接建物との実際の距離などにより、搬入経路や動線が確保できない場合があり、事前調査に時間がかかっていました。

ARによってシミュレーションすることで、適切な作業範囲が確認できるようになり、安全確認の効率化につながっています。


▶︎▶︎戸田建設 プレスリリースはこちら

7-6.広報・販促【メニコン/メーカー】

メニコンARショップ
出典:メニコン

コンタクトメーカーのメニコンはバーチャルショップ「メニコンARショップ」を公開しました。
新型コロナウイルス感染症の影響で、非対面の接客を望む声が増え、オンラインでも店舗のような感覚で買い物ができます。

ARショップにはスタッフのアイコンが立っていて、おすすめのコンタクトレンズを教えてくれるなど、対面の接客のような温かみを感じられます。

ユーザーは自宅や好きな場所から気軽にアクセスできるので、忙しくて店舗に行けない方にも便利なサービスです。

▶︎▶︎メニコンARショップ 詳細はこちら

7-7.業務効率化・シミュレーション【新菱冷熱工業/設備工事】

新菱冷熱工業 MR
出典:新菱冷熱工業

設備工事を行う新菱冷熱工業は、MicrosoftのMRヘッドセット「Microsoft HoloLens」を利用し、気流シミュレーションを見える化するシステムを国内で初めて開発しました。

室内において、ヘッドセットを装着することで空間を自由に動き回りながら、見たいポイントの気流シミュレーションを体感できます。

これにより、設計条件や設備仕様などの専門的な情報を「見える化」し、提案や改善案の検討などのビジネスシーンで役立てられます。

▶︎▶︎新菱冷熱工業 ニュースはこちら

7-8.営業・販促【総合車両製作所/メーカー】

総合車両製作所 MR
出典:キヤノンITソリューションズ

鉄道車両を作る「総合車両製作所」のMR活用事例です。商談の際に鉄道車両の実物を持ち運ぶのは困難ですが、MRヘッドセットを装着することで、目の前に車両が現れて、車両空間や外観を確認できます。

デジタルだからこそ、すぐに座面の種類やカラーデザインを変更でき、商談時の仕様すりあわせや販売促進に活用できます。


▶︎▶︎総合車両製作所 詳細はこちら

8.まとめ

XRは急速に注目を集めていますが、通信技術の発展と私たちを取り巻く社会課題という二つの背景から、その注目の理由に納得いただけたのではないでしょうか。


とはいえ、まだまだXRを導入している企業は多くはありません。これから5G/6Gと通信環境が発展していく中、今から効率的に活用するアーリーアダプターとなることで、採用や広報といった面での企業活動にも貢献することでしょう。

VRtipsを運営するリプロネクストは、VR/ARをはじめとするXR技術を使った企業・地域の課題解決をサポートしています。業務効率化や教育・研修、採用活動などに役立てたい方はぜひお気軽にご相談ください。

「VRtips」は株式会社リプロネクストが運営しています。
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