- 2023/05/03
- 2024/04/11
【AR×大学】広報活動に役立つARとは?メリットや活用事例を紹介
近年、イベントや商品にAR技術が活用される事例が増えつつあり、少しずつ私たちの身近に感じられるようになりました。
そんな中、様々なWebマーケティング施策を行う大学広報でもAR技術が活用されています。
当記事では、大学広報におけるAR活用のメリットや活用方法、導入事例をご紹介します。
目次
1.ARとは
ARは「Augmented Reality」の略で、日本語では「拡張現実」と訳します。ARはスマートフォンやタブレット、スマートグラスなどを通じて、現実世界の映像にCGなどで作るデジタル情報を加えるもの。つまり、現実世界を拡張し、デジタルと融合させる技術のことです。
スマートフォンやARグラスをはじめとしたデバイスが進化し、GPSやカメラを利用した高度な情報処理が可能になったことから発展した技術だといえます。
ARが実現する仕組みは「ロケーション(位置情報)ベース」「ビジョン(画像)ベース」の2種類に分かれます。
1-1.ロケーション(位置情報)ベース
デバイスに搭載されているGPSや磁気センサー、加速度センサーから情報を認識し、デジタルコンテンツを表示させる方法です。
AR技術を使った代表的なゲーム「Pokémon GO」で、街中の特定の場所に行くとキャラクターを発見できるのは、この機能を使っているからです。
1-2.ビジョン(画像)ベース
画像や空間・物体の情報を認識して、デジタルコンテンツを表示させるARです。
ビジョンベースはさらに2種類に分けられ、目印を認識するARが「マーカー型」、空間や物体そのものを認識するARが「マーカーレス型」です。
マーカー型 | マーカーレス型 |
マーカー(目印)となる図形や画像を読み取ると、デジタルコンテンツが表示されます。マーカーさえ用意できれば、好きな場所に表示できるのがメリット。 | 空間や物体の情報を認識して、特定の物体・景色・施設などにデジタルコンテンツを表示させます。空間や物体を読み込む計算が必要であるため、マーカー型より高度な技術が必要。 |
2.大学広報にARを活用する5つのメリット
では、大学広報にARを活用するメリットにはどんなものが挙げられるのかを見ていきましょう。
- 新しい体験や情報を提供できる
- 特別な機器がなくても体験してもらえる
- 回遊性を高めることができる
- 拡散性が見込める
- 行動データの収集ができる
2-1.新しい体験や情報を提供できる
総務省の調査によると、2022年度時点で全国の高校生の約97%がスマートフォンを使ってインターネットを利用しています。
▶︎▶︎引用:令和4年度⻘少年のインターネット利⽤環境実態調査 調査結果(速報)
Z世代の高校生に向けたアプローチ方法として、多くの学校がSNSや動画を活用して情報発信・広報活動をしています。そんなSNSと同じく、スマートフォンで手軽に触れられるのがAR体験です。
ARを使ったキャンパスツアーや撮影スポットが高校生にとっては新たな体験価値となり、来校の満足度向上や、先進的な取り組みを行う学校としての印象付けにも繋がることでしょう。
2-2.特別な機器がなくても体験してもらえる
ARコンテンツはスマートフォンで体験できるので、特別な機器を必要としません。(※表現方法によっては、参加者側に専用機器場合があります)
VRの場合はVRヘッドセットやVRゴーグルが必要ですが、ARはより気軽に体験いただけるものです。ほとんどの高校生がスマートフォンを利用している現代において、ARコンテンツは体験ハードルが低く、沢山の方に楽しんでもらえるでしょう。
2-3.回遊性を高めることができる
オープンキャンパスで色んな空間を見て回り、施設の魅力を体験してほしい際に、AR技術を使ったデジタルスタンプラリーが役立ちます。キャンパス内にARスポットを用意し、その場に行くことでデジタルスタンプや、オリジナルのフォトフレームをゲットできる仕組みが作れます。
こうした企画は、オープンキャンパスにおける回遊性を高める効果が期待できます。
2-4.拡散性が見込める
オープンキャンパスや学園祭などのイベントは友人同士と参加するケースもあり、記念写真を撮る機会が増えるため、ARとの相性が抜群です。
AR技術を使えば、現地の様子にデジタル装飾を施した“その場でしか撮影できない一枚”を残してもらうことが可能に。SNS投稿キャンペーンを開催すれば、拡散性も見込めます。
2-5.行動データの収集ができる
デジタル技術を活用する強みとして、参加者の正確な行動データを得ることができます。(※導入するサービスによっては、データが取得できない場合もあるので確認しましょう。)
ARコンテンツの体験人数や巡ったスポットの数、人気を集めたスポットなどのデータを収集することで、参加者の興味・関心が分析でき、その後のマーケティングデータとして活用できるでしょう。
3.大学広報におけるAR活用方法
続いては、学校広報でARをどんな風に活用できるのか紹介します。それぞれの活用方法を組み合わせることもできるので、アイデアを膨らませてみてください。
- ARキャンパスツアー
- ARフォトスポット
- AR学部・サークル紹介
- ARポスター
3-1.ARキャンパスツアー
オープンキャンパスの際に学内の多くのスポットを巡ってもらい、学校の文化や歴史・人の魅力に触れてほしいという場合におすすめです。
特定のスポットに行き、ARマーカーを読み込むことでスタンプをゲット。そのスポットのみで視聴可能な動画を用意したり、その場で楽しめる別のコンテンツを用意しても良いでしょう。
スタンプを集めると景品がもらえる、プレゼントキャンペーンと組み合わせることで参加率の向上も見込めます。ARスタンプラリーをきっかけに見どころを巡ってもらうことができ、新たな魅力発見につながることでしょう。
3-2.ARフォトスポット
現地でのオープンキャンパスや学園祭で、高校生に記念フォトを残してもらう際にAR技術が役立ちます。
通常の写真に華やかなオリジナル装飾が加わることで、SNSへの拡散も期待できることでしょう。参加者の満足度向上はもちろん、認知拡大にも繋がるコンテンツです。
3-3.AR学部・サークル紹介
オープンキャンパスは、学生が不在の休日に開催するケースも多く「普段の学びの様子を見せたい」という課題を抱えている広報ご担当者の方もいらっしゃるでしょう。
そんな時に役立つのがARです。ARでは、誰もいない教室や研究室にスマートフォンをかざせば、写真や動画、学生のアバターなどを登場させることが可能。
リアル×デジタルで日頃の雰囲気を疑似体験で届けることができ、活動や取り組みの特徴・魅力を視覚的に届けることができます。
3-4.ARポスター
オープンキャンパスなどの現地での活用はもちろん、駅や商業施設などに掲示するポスターにAR技術を使うことで、紙面だけでは伝えられない情報を追加できます。
ポスターにスマートフォンをかざすことで、学校紹介動画が再生されたり、先輩学生が飛び出てくるような演出が出来たりと、様々な表現が可能です。
4.大学広報×ARの活用事例
最後に、大学広報のAR活用事例をご紹介します。まだ事例は多くありませんが、新たなプロモーション事例として先例を作ることで、業界内での存在感を高められるでしょう。
- 佐賀大学/ARオープンキャンパス
- 山梨大学/AR写真展
- 東北大学/ARフォト
- 同志社大学/ARキャンパスツアー
- 新潟経営大学/ARポスター
4-1.佐賀大学/ARオープンキャンパス
出典:@Press
佐賀大学は「毎日がオープンキャンパス」をスローガンに掲げ、オープンキャンパス期間にAR機能を活用しました。「動くポスター」では、在校生のポートレート写真を掲載したポスターを約50枚作成。
スマートフォンをかざすと、ポスターに映っている在校生による受験生に向けたメッセージを聞くことができます。
また、AR大学案内は大学案内の写真にスマートフォンをかざすことで、学園祭の風景やサークル活動の動画を見ることも。
2011年の時点でARを多角的に活用している先端事例です。
▶︎▶︎佐賀大学 プレスリリースはこちら
4-2.山梨大学/AR写真展
山梨大学工学部電気電子工学科は2022年度のオープンキャンパスにて、ARを使った写真展と研究室ツアーを実施しました。オープンキャンパス来場者は、自身のスマートフォンをかざして、会場のいたるところに浮かぶ写真を歩き回りながら鑑賞。
また、研究室ツアーでは、最先端の実験装置にスマートフォンやタブレットをかざすことで、装置上に実験器具の説明などが浮かび上がるようにして、直感的に分かりやすく説明しました。
実際に大学生が受講している教室で、リアル×デジタルで日頃の学びや研究の様子を伝え、学科の特徴を届けています。
4-3.東北大学/ARフォト
出典:東北大学 AR記念撮影
こちらは、入学生向けのARフォトコンテンツ。入学式というハレの日の記念撮影を彩る企画です。サイトには「#春から東北大」のハッシュタグをつけ、拡散を促すアプローチもあり、入学生だけでなく、潜在層へのプロモーション効果も期待できるでしょう。
卒業式や学園祭など、様々なイベントに応用できる事例です。
4-4.同志社大学/ARキャンパスツアー
出典:PRWire
同志社大学は、キャンパスマップにAR機能を追加。アプリをダウンロードして指定の画像にスマートフォンをかざすと、学生による音声ガイドで各建物の歴史や特色を聞くことができます。
また360°動画やドローン動画など、普段のキャンパスでは見ることができない場所やイベントの様子も視聴可能に。
現地でキャンパスを巡る際はもちろん、帰宅後も振り返って使えるARコンテンツです。
4-5.新潟経営大学/ARポスター
出典:新潟経営大学
最後は、学生企画のARポスターの事例です。
新潟経営大学の横山ゼミナールの学生プロジェクト『観光に飛び出そうプロジェクト』では、AR機能を使った「動くポスター」を作成。新潟県・県央地域の観光増加を目的として制作しました。
ポスター内の二次元コードから各地域の動画を見ることができ、さらにアプリをダウンロードしてポスターにスマートフォンをかざすと、ポスターに新たな画像が出現するそう。
学生のプロジェクトの一環でARを活用することも、学内のトピックとして広報活動に役立つでしょう。
5.まとめ
Z世代を対象とする大学広報において、ARコンテンツの活用はイメージの向上やブランディングにも寄与し、ポジティブな影響をもたらすことでしょう。
広報プロモーションの新たな手法を取り入れようとお考えの方は、ぜひこの機会に検討してみてはいかがでしょうか。
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