- 2023/01/30
- 2024/04/11
ARカードとは?仕組みやビジネス活用事例を紹介
ARコンテンツは、位置情報を元に表示するものや、空間を認識して特定の位置に表示するものなど、様々なタイプがあります。
今回は、カードを映すことでARコンテンツが見られる「ARカード」についてご紹介します。
比較的簡単に作ることができ、試してもらいやすいことから幅広いシーンで活用されている「ARカード」について理解を深めましょう。
目次
1.ARとは
ARは「Augmented Reality」の略で、日本語では「拡張現実」と訳します。ARはスマートフォンやタブレット、スマートグラスなどを通じて、現実世界の映像にCGなどで作るデジタル情報を加えるもの。つまり、現実世界を拡張し、デジタルと融合させる技術のことです。
ARが実現する仕組みは「GPS(位置情報)型」「マーカー型」「空間認識型」「物体認識型」の4種類に分かれます。
1-1.GPS(位置情報)型
デバイスに搭載されているGPSや磁気センサー、加速度センサーから情報を認識し、デジタルコンテンツを表示させる方法です。
AR技術を使った代表的なゲーム「Pokémon GO」で、街中の特定の場所に行くとキャラクターを発見できるのは、この機能を使っているからです。
これらはセンサーの精度に依存しているので、人によってはコンテンツの場所がずれる、表示されないということが起こり得ます。
1-2.マーカー型
マーカー(目印)となる図形や画像を読み取ると、デジタルコンテンツが表示されます。
マーカーさえ用意できれば、好きな場所に表示できるのがメリットです。
1-3.空間認識型
空間の情報を認識して、特定の景色・施設などにデジタルコンテンツを表示させます。
空間を読み込む計算が必要であるため、高度な技術が必要です。
1-4.物体認識型
物体の情報を認識し、デジタルコンテンツを表示させます。マーカーを配置できない大型の物などに適しています。空間認識型と同じく、読み込む計算が必要となるため、こちらも開発には高度な技術が必要です。
2.ARカードとは

ARカードは、特定のカードをマーカーにすることで、スマートフォンなどの画面上に3Dコンテンツが表示されるものです。
ユーザーは専用のアプリやWebブラウザからカメラモードを起動し、手元に用意したカードを映すと画面上には3Dアニメーションや動画などが出てきます。
ユーザーは比較的簡単にAR体験ができるとして、エンターテイメントからビジネス分野まで、幅広いシーンで活用が広がっています。
3.ビジネスシーンにおけるARカードの活用方法
では実際に「ARカード」はビジネスシーンでどのように活用できるのかをご紹介します。
3-1.プロモーション・広報
最もメジャーなのが、プロモーションツールとしての活用です。
イベント来場者にカードを配布し、帰宅後に楽しんでもらえるコンテンツにしたり、企業の合同説明会で学生にカードを渡し、読み込むことで社員紹介動画を見てもらったりと、ワクワク感のあるプロモーションツールとして活用することができます。
3-2.商品の価値向上
二つ目は、商品に付加価値をつけるという方法です。
例えばARカードを本の付録とし、読み込むことで作品の世界観を3DCGで体験できるなど、商品に+αの価値を付けることができます。
3-3.ファンづくり・関係構築
イベントや展示会では、BtoB、BtoC問わず多くの方との出会いが生まれます。
そうした際に、ARカード化した名刺やポストカードを渡し、紹介動画や3DCGコンテンツを見てもらえれば、インパクトを与えることはもちろん、企業や自身のことを知ってもらう機会になります。
また、スポーツチームのようにファンとの関係構築が大切なビジネスでは、来場者にARカードをプレゼントし、画面越しの選手が話しかけてくれるなど、新たな感動体験を作ることもできます。
4.ARカードの活用事例6選
最後に、ARカードの活用事例をご紹介します。自社のサービスや取り組みと比較しながら参考にしてみましょう。
- 映画「THE FIRST SLAM DUNK」
- 任天堂 3DS ARゲームズ
- BTS
- AR名刺
- AR年賀状
- グリコ アーモンドピーク
4-1.映画「THE FIRST SLAM DUNK」
ふと思い立って映画特典のコースターの裏にあるQRコード読み込んだら特設サイトにとんでこんなARが仕込まれていたとは。#SLAMDUNK #SLAMDUNKMOVIE pic.twitter.com/nIOd5HdMGK
— 和虎 (@heiwajimapoke) January 18, 2023
2022年末に公開されたヒット映画「THE FIRST SLAM DUNK」。入場者特典で配布されるコースターはARカードになっており、コースターを写すと文字やキャラクターが音とともに動き出します。
記念として手元に置いておくだけでなく、目にも楽しい演出が加わることで、映画の余韻に何度も浸ることができるでしょう。ファンには嬉しいノベルティです。
4-2.任天堂 3DS ARゲームズ

任天堂の人気ゲーム機「ニンテンドー3DS」シリーズには、ARカードが付属されています。
本体外側に付いているカメラでARカードを読み込むと、画面上には箱型の3Dオブジェクトが出現。的あてや魚釣りなど「ARゲームズ」と呼ばれるゲームをプレイすることができます。
4-3.BTS
ARカードやっと接続できた❤️🔥❤️🔥❤️🔥(ずっとQRコードだと思って探してたんだけど…🙄)
— hitomi(低空飛行中) (@lovetosleeeeeep) October 20, 2022
動いてる〜〜😭
バンタンが目の前で(スマホを通して)動いてるよぉぉぉぉ!!😭😭😭❤️🔥
次はもっと進化させて等身大ホログラムバンタンでお願いします🫶#collectorsedition#BTS_Proof pic.twitter.com/qmHgHAGIV6
韓国のアイドルグループ「BTS」 が、2022年に発売した限定版アルバム「Proof(Collector’s Edition)」にはARカード7枚が入っています。
アプリをダウンロードしてカードをかざすと、メンバーが動き出します。カードとしてコレクションしながら、動くアーティストをいつでも見られるという一石二鳥のアイテムです。
4-4.AR名刺
冨士オフセット印刷株式会社が開発したAR名刺の事例です。ARカード化した名刺をカメラにかざすことで、企業案内やSNSのイメージを浮かび上がらせることができます。
名刺に載せられる情報には限りがありますが、AR機能を追加することで名刺の情報を拡張し、付加情報を届けることができます。
大勢と名刺交換をするようなシーンでは、インパクトを残すことにもつながるでしょう。
4-5.AR年賀状

ARサービスを提供する株式会社YONDEは、AR年賀状プランを提供しています。
年賀状にスマホのカメラを向けると、年賀状にプリントされたキャラクターが3DCGとなって画面上に飛び出します。
新年の挨拶に一味違った演出が加わることで、友人知人はもちろん、ビジネスの取引先にも好印象を与えることができるでしょう。
▶︎▶︎株式会社YONDE 公式サイトはこちら
4-6.グリコ アーモンドピーク

グリコの人気チョコレート菓子「アーモンドピーク」はARカードが入った限定パッケージを販売しました。
全45種類のキャラクターが用意されており、無料のアプリでスキャンすると飛び出したり、歌い出したりします。コレクターにとって、ついつい集めたくなるキャンペーン。リピート購入や、販促効果にもつながることでしょう。
5.まとめ
ARカードは、簡単にAR体験を届けられる気軽さが特徴です。
プロモーションやファンづくりなど「新しいアプローチで顧客に感動体験を届けたい」という際におすすめです。
デバイスや通信技術の進化により、ARは今後私たちの生活に身近な技術となっていくことが予測されますが、新規性の高い今から活用することで企画自体の話題性も見込めるでしょう。
VRtipsを運営するリプロネクストは、企業様向けのAR/VRコンテンツの企画・開発から活用までをサポートしています。お気軽にご相談ください。