- 2023/05/01
- 2024/04/11
ビジネスにおけるAR活用事例【業界別10選&活用メリットも】
ARの技術をビジネスシーンで活用する事例が増えています。
この記事では、ビジネスにおける業界別の活用事例を10個ご紹介します。
自社の業界と照らし合わせながら、ARを活用するメリットや可能性を探ってみてください。
目次
1.ARとは
ARは「Augmented Reality」の略で、日本語では「拡張現実」と訳します。ARはスマートフォンやタブレット、スマートグラスなどを通じて、現実世界の映像にCGなどで作るデジタル情報を加えるもの。つまり、現実世界を拡張し、デジタルと融合させる技術のことです。
スマートフォンやARグラスをはじめとしたデバイスが進化し、GPSやカメラを利用した高度な情報処理が可能になったことから発展した技術だといえます。
ARが実現する仕組みは「ロケーション(位置情報)ベース」「ビジョン(画像)ベース」の2種類に分かれます。
1-1.ロケーション(位置情報)ベース
デバイスに搭載されているGPSや磁気センサー、加速度センサーから情報を認識し、デジタルコンテンツを表示させる方法です。
AR技術を使った代表的なゲーム「Pokémon GO」で、街中の特定の場所に行くとキャラクターを発見できるのは、この機能を使っているからです。
1-2.ビジョン(画像)ベース
画像や空間・物体の情報を認識して、デジタルコンテンツを表示させるARです。
ビジョンベースはさらに2種類に分けられ、目印を認識するARが「マーカー型」、空間や物体そのものを認識するARが「マーカーレス型」です。
マーカー型 | マーカーレス型 |
マーカー(目印)となる図形や画像を読み取ると、デジタルコンテンツが表示されます。マーカーさえ用意できれば、好きな場所に表示できるのがメリット。 | 空間や物体の情報を認識して、特定の物体・景色・施設などにデジタルコンテンツを表示させます。空間や物体を読み込む計算が必要であるため、マーカー型より高度な技術が必要。 |
2.ARのビジネス活用事例【業界別10選】
早速、業界別のAR活用事例をご紹介します。
- 観光
- ホテル・宿泊施設
- 大学・専門学校
- 製造
- 自動車
- 不動産
- イベント
- 行政機関・自治体
- 医療
- ファッション
2-1.観光
観光・旅行業界では、現地での回遊性を高める目的でARを活用する事例が全国各地で増えています。
2022年に福島県で開催された「大冒険! ウルトラマンARスタンプラリー2022inふくしま」。アプリをダウンロードし、福島県内の54ヶ所に設置され二次元コードを読み取ると、AR機能が立ち上がり、カメラの画面上にウルトラヒーローや怪獣が現れます。このキャラクターたちと現地で記念撮影することでスタンプがたまり、オリジナル賞品のプレゼント抽選に応募できます。
10ポイント、30ポイント、54ポイント達成ごとにプレゼントと引き換えが可能。様々なキャラクターとの出会いを楽しみながら、福島県内を散策できます。
▶︎▶︎ウルトラマンARスタンプラリー2022inふくしま 公式サイト
2-2.ホテル・宿泊施設
ホテル・宿泊施設での顧客満足度向上に向けたAR活用事例です。
北海道から九州まで広く展開する「ホテル法華クラブ」は、公式サイトにARナビゲーションアプリ「PinnAR」を採用。お客さまにホテルまでの道順をよりわかりやすく伝えるため、スマートフォンをかざして表示された道にルートが表示されるARを活用しています。
「PinnAR」は日本語・英語・繁体字・韓国語の4カ国語対応のため、土地勘のない外国人の方の不安軽減にも役立てています。
2-3.大学・専門学校
大学の事例では、現地への訪問に付加価値をつける企画としてARが活用されました。
山梨大学工学部電気電子工学科は2022年度のオープンキャンパスにて、ARを使った写真展と研究室ツアーを実施しました。オープンキャンパス来場者は、自身のスマートフォンをかざして、会場のいたるところに浮かぶ写真を歩き回りながら鑑賞。
また、研究室ツアーでは、最先端の実験装置にスマートフォンやタブレットをかざすことで、装置上に実験器具の説明などが浮かび上がるようにして、直感的に分かりやすく説明しました。
実際に大学生が受講している教室で、リアル×デジタルで日頃の学びや研究の様子を伝え、学科の特徴を届けています。
▶︎▶︎エピソテック株式会社 プレスリリースはこちら
2-4.製造
製造業界では、研修や業務、商談など様々なシーンでARが活用されつつあります。
VRtipsを運営する株式会社リプロネクストは、長岡市デジタル推進ラボと協働で、伝統的工芸品「越後与板打刃物」の技術伝承に役立てるARコンテンツを制作いたしました。
EPSON社のスマートグラス「MOVERIO BT-35ES」を装着し、現場で作業を進めながら、リアルタイムで工程やポイントを確認できるコンテンツです。
作業中の使用を想定し、音声認識による操作を実現。両手が塞がっている状態でも、音声指示で次の工程に進むことや、再生・停止が可能です。
「経験と勘」といわれる暗黙知の多い熟練技術者の技と知恵を、少しでもわかりやすく表現するため、「技術の見える化」に取り組んでいます。
▶︎▶︎長岡市デジタル推進ラボ 様【越後与板打刃物 技術習得XRコンテンツ】紹介ページはこちら
▶︎▶︎関連記事:【AR×製造業】課題解決に役立つARのメリット&事例を紹介
2-5.自動車
自動車業界では、車の内部の特徴や強みを表現するツールとしてARが役立ちます。
自動車部品メーカーのデンソーは「第46回東京モーターショー2019」にて、AR技術を活用しました。
会場に用意したサンプルのミニモックカーにタブレットをかざすと、クルマの内部に搭載されているデンソーの製品が紹介されます。
車体内部の様子は目に見える状態でのプロモーションが難しいからこそ、ARを使うことで技術力の高さや安全性をアピールすることができます。
▶︎▶︎MOTA 記事はこちら
2-6.不動産
不動産業界では、現場や商談のシーンで情報共有を円滑化するツールとしてARが活用されています。
ニュージーランド発の不動産向けARアプリ「homeAR」。
建設前の土地にタブレットやスマートフォンをかざすと、画面上に住宅が出現し、外観や内観のイメージを歩きながら確認することができます。
従来は図面でしか確認できなかったものを実物同様に確認できるので、意思決定の材料にできます。
▶︎▶︎homeAR 公式サイト
▶︎▶︎関連記事:【AR×不動産】不動産業界で役立つARとは?メリットや事例を紹介
2-7.イベント
イベントでは、来場者の満足度向上や広報・プロモーションにARを活用した事例を紹介します。
毎年開催されている人気音楽フェスティバル「ULTRA JAPAN」にて、AR機能を使ったフェイスフィルターが登場しました。「ULTRA JAPAN」の公式インスタグラムやFacebookでフィルターが使用でき、画面をタップするごとにフィルターが変化します。
フェス来場者にとって、写真撮影は参加の記録となる大切な思い出。そんな一枚を彩るフィルターがあれば、参加者の満足度は上がることでしょう。また、撮った写真をそのままSNSにアップしてもらうことでイベント来場者以外にも情報を拡散でき、広報・プロモーションにも役立ちます。
2-8.行政・自治体
選挙活動にARを活用した事例を紹介します。
北海道知事選挙にて、選挙ポスターにスマートフォンをかざすと候補者が話し出す「しゃべる」選挙ポスターが公開されました。
ポスターを見つけた際にその場で候補者の演説を聞くことができ、広報活動に役立てています。
身近にあるデバイスで簡単に情報を得られる仕組みを作ることで、投票率の向上などが期待できるでしょう。
▶︎▶︎参考:NHK
2-9.医療
医療現場では、研修や医療の質向上に向けて最新テクノロジーの利活用が進んでいます。
宮崎県都城市消防局は、全国で初めて救命救急士の出動時にARグラスを装着し、現場を撮影しながら処置を当たる実証を行いました。
ARグラスはビデオシステムを通じて医師や消防局に繋がっており、救命救急士の目線の映像をリアルタイムで共有。病院到着までの処置のスピード向上や、救命率の向上も期待されています。
現在は実証段階で、本格導入は検討中とのことです。
▶︎▶︎宮崎県都城市 プレスリリースはこちら
▶︎▶︎関連記事:【医療×AR】医療現場が変わるARの活用法とは?メリットや今後の課題も
2-10.ファッション
ファッション・アパレル業界では、ARを使って洋服の仮想試着体験を提供できます。
ジュエリーブランド「Gabriel & Co」は、店舗とオンラインの買い物体験のギャップを埋めるためにARアプリを導入。
ユーザーはアプリを使ってアクセサリーのデザインを決め、商品をカスタマイズ。
カスタマイズした商品は、ARアプリを使って360°あらゆる方向からの着用イメージを確認できます。
▶︎▶︎MogurLive 記事はこちら
▶︎▶︎関連記事:【AR×ファッション】アパレル業界の課題を解決に導くARの活用方法&事例を紹介
3.まとめ
ARの技術は、様々な業界でそれぞれの課題解決や経営促進に向けて活用されていることがお分かりいただけたことでしょう。
VRtipsを運営しているリプロネクストでは、ビジネスの課題解決に向けたVR/ARコンテンツの撮影・制作・運用までサポートしております。
実際の導入事例もございますので、ぜひお気軽にお問合せください。
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