- 2022/08/23
- 2024/04/11
VR英会話とは?必要な道具や事例&サービス12選
VR技術が普及したことにより、近年では英語学習にも導入されはじめています。その代表例がVR英会話。
今までは教室に通う対面型や、音声や映像を活用して学ぶことが主流でしたが、VRを活用することでオンラインでありながら対面のような英会話学習を提供することができます。
この記事では、VR英会話の仕組みや、事例&サービスを12個ご紹介いたします。
「VR英会話ってどんな仕組みになっているの?」
「どのような道具や教材を準備したら良い?」
というように、VR英会話の詳細が気になる方はぜひ、参考にしてください。
目次
1.VR英会話とは?
VR英会話とはその名の通り、VR技術を用いて英会話を学ぶサービス。VRと聞くとスポーツやゲーム、映画などエンタメ業界で普及しているイメージが強いですが、実は学習・教育業界でも少しずつ普及し始めています。
その代表例が今回紹介するVR英会話。
従来の英会話教室は現地まで足を運び、教師からレッスンを受ける、いわば学校と同じような仕組みでした。しかしVR英会話であればわざわざ教室に行く必要がなく、自宅にいながら気軽に英会話を学ぶことができるのです。
2.VR英会話をする際に必要な道具
VR英会話をするには、道具と環境を整える必要があります。では、どのような道具や環境が必要なのかというと、以下の2つです。
- VRゴーグル
- 教材
2-1.VRゴーグル
VR英会話を学ぶ上で必須の道具がVRゴーグルです。VRゴーグルは「据え置き型」「モバイル型」「スタンドアローン型」の3種類あります。
- 据え置き型→PCやゲーム機に接続して使用する
- モバイル型→スマホに接続して使用する
- スタンドアローン型→単体で使用する
例えば、スマホで気軽にVR英会話に参加してもらうなら「モバイル型」のVRゴーグルを準備。
本格的な仮想空間で、まるで対面で会話しているかのように英会話を学んでもらうなら「スタンドアローン型」が望ましいでしょう。
2-2.教材
VR英会話には教材の準備も必要です。
教材はスクール形式とスマホアプリがあるので、目的に合わせて選びましょう。本格的にVR英会話を学ぶのであればスクール形式、まずはお試しで学ぶのであれスマホアプリという形が望ましいでしょう。
3.VR英会話で英語を学ぶメリット
続いて、VR英会話で英語を学ぶメリットを3つご紹介いたします。VR英会話を活用することで、ユーザーはどのようなメリットを受けられるのか見ていきましょう。
- よりリアルな英会話を体験できる
- 場面に応じた英会話を繰り返し学べる
- モチベーションを維持しやすい
3-1.より現実世界に近い英会話を体験できる
従来、英会話を学ぶ方法はスクールに通うほか、音声教材や映像教材で学ぶことが一般的でした。スクールであれば先生と実際に会話をしながら英語を学べるので緊張感があります。しかし音声や映像だと一人で黙々と学ぶため、緊張感が薄れてしまいがち。
一方、VR英会話であればこのような心配がありません。
例えば教材の一つでは、普段歩いているような道で外国人に英語で話しかけられる、というシチュエーションがあります。そして質問に対する回答によって外国人の反応が変化します。
このようにVR英会話では、より現実世界に近い英会話を体験できるのです。
3-2.場面に応じた英会話を繰り返し学べる
スクールでも場面に応じた英会話を繰り返し学べますが、1回あたりのレッスンには時間が設けられています。なので、練習したい場面やフレーズがあっても時間のせいで練習できないというケースもあるでしょう。
その点、VR英会話であれば、時間を気にせず納得いくまで練習することが可能。
「スラッとフレーズが出てこないシチュエーションがある…」「納得いくまで何度も練習したい」という方にとって、VR英会話は最適な学習方法と言えます。
3-3.モチベーションを維持しやすい
スクールに通ったり、音声・映像教材を使って独学で英会話を学んでいると、ふとした時にモチベーションが低下します。例えば大雨が理由でスクールを休み、それから通うのが面倒になってしまった。最初の1週間は独学でも楽しく学べていたけど、フレーズが覚えられず挫折してしまった…など。
しかしVR英会話はゲーム感覚で英語を学べるので、モチベーションを維持しやすいです。
返答に応じて外国人の対応が変わったり、本物の日常生活のような空間で英会話を学べたり。音声・映像教材より楽しく取り組めるのが、VR英会話の特徴と言えます。
4.VR英会話で英語を学ぶデメリット
VR英会話はメリットだけでなくデメリットもあります。
どのようなデメリットがあるのかというと、主に3つあげられます。
- VR空間なので集中力や緊張感が薄れやすい
- VR酔いの可能性がある
1-1.VR空間なので集中力や緊張感が薄れやすい
より現実世界に近い空間で英会話を学べるとはいえ、あくまでも仮想空間。そのため、慣れてくると集中力や緊張感が薄れやすいです。
現実世界であれば失敗して恥ずかしい思いをしたり、相手を怒らせてしまうことがあるものの、VRであればそのようなことはありません。
ただ言い換えれば、簡単には英語を習得できないということ。
英会話スキルを習得したいのであれば、集中力を欠くことなく、日々継続して英語を学ぶ必要があります。
1-2.VR酔いの可能性がある
VR酔いとは乗り物酔いと同じように、頭がフラフラする・吐き気がするなどの症状に襲われます。VRは脳の錯覚を利用して映像を映し出すのですが、これが脳に負担を与え酔いが生じるのです。
長時間続けてVR映像を見ていると酔いが生じやすいので、適度な休憩を入れなければなりません。
5.VR英会話の事例5選
ここからは、英会話学習にVRを活用している事例57つご紹介します。YouTubeで気軽に学べるものから、学校の導入事例までご紹介しているのでぜひ参考にしてください。
- バイリンガール英会話Chika
- 羽衣国際大学
- 中央大学
- 青山学院大学
- 同志社中学校
5-1.バイリンガール英会話Chika「VR英会話!」
こちらはお手軽、YouTubeのVR英会話動画。人気英語YouTuber「Chika」さんが配信しているVRの英会話動画です。
一般的な動画だと配信者と視聴者のような感覚ですが、VR動画だと目の前にChikaさんがいるような感覚に。受け身で見ているのではなく、より主体となって英会話に取り組めます。
▶︎▶︎ChikaさんのVR英会話プレイリストはこちら
5-2.羽衣国際大学
出典:PRTIMES
羽衣国際大学 共通教育開発センターは、オンライン教育事業を運営するClassmate株式会社と共同で、同大学の学生がメタバース空間で授業を受ける「ライブ英会話レッスン」を実施しました。
Meta社のビジネス向けメタバースサービス「Horizon Workrooms」とVRヘッドセット「Meta Quest 2」を使い、フィリピン人英語講師から英語のスピーキングレッスンや異文化について学びました。
コロナ禍で、海外留学や国際交流ができなくなった中でも国際交流を止めたくないという思いで、メタバースを活用。参加した学生からは、「お互いアバターで話すので対面の英語レッスンやオンライン英会話より緊張感が少なく先生もアバターで親しみやすく話しやすい!」との声が上がっています。
5-3.中央大学
中央大学国際情報学部の斎藤ゼミとVR言語学習教育プラットフォームを提供するImmerse inc.が共同で、学生同士がメタバース空間で互いに教え合う自走型英語学習の共同検証を実施しました。
学生自身が英会話レッスンを考案・実施し、教える側・教わる側の両方のアクティブラーニングが実現。教わる側の学生の平均満足度も4.6(5点満点中)と高い結果になりました。
今後も斎藤ゼミとImmerse inc.は、言語教育・国際交流においてVRがもたらす教育効果や海外留学の代替としてのVR留学の可能性において、様々な角度から研究・発表を行っていくそうです。
5-4.青山学院大学
青山学院大学 経済学部・外国語科目では、最新のVRゴーグルトAIスピーカーを使ったVR没入型英語学習により、学生約60名の実践的な英語能力や学習意欲がどのように上昇するのか検証しました。
「With コロナ / After コロナ時代の大学教育の創造」を実現するための試みの一環として実施。VRレッスンを4カ月間(およそ月1〜3回)受け続けた学生のTOEIC平均スコア(目安)が100点以上伸びたことがわかりました。
▶︎▶︎青山学院大学 お知らせはこちら
5-5.同志社中学校
NTTコミュニケーションは、教育活動におけるVR学習の有効性に関する実証実験として、同志社中学校にてVR英会話学習を行いました。
生徒を12名ずつのグループに分け、留学や海外旅行で必要となる日常会話を学習。その後、生徒に対し理解度テストを行い、習熟度を5項目評価したところ、VR学習は従来の学習に比べ、生徒の習熟度が高くなることが確認されました。
6.VR英会話サービスを7選
続いては、VR英会話サービスの提供事例をご紹介します。
- スマートチューター
- 売場のやさしい英会話VR
- immerse
- Mondly
- 英語おもてなしガイド
- スパルタ英会話
- VRChat
6-1.スマートチューター
こちらはプラスワン社が開発した「Smart Tutor(スマートチューター)」というサービス。AIの講師がVR空間で英語のコーチになってくれる、革新的な英語学習システムです。このAI講師が発音や会話の滑らかさやスピーチのペース、アイコンタクトなどを含む8項目を分析し評価してくれます。
発音などそれぞれの講師の感覚に頼っていたことがAIを使うことで、より汎用的な指導を受けることができます。
▶︎▶︎スマートチューター 公式サイトはこちら
6-2.売場のやさしい英会話VR
こちらは、日本英語検定協会が提供している「売り場のやさしい英会話VR」。インバウンド需要の高まりとともに、接客業向けの英会話VRコンテンツが登場しました。
「売場のやさしい英会話VR」はスマホアプリとしてダウンロードし、一部無料で利用可能。紙とペンで行う学習とは違い、リアルなシチュエーションで英会話を学べます。
また、発音の波形分析等の機能や、ロールプレイでの実践機能もついています。自分のペースで無理なく学ぶことができそうです。
▶︎▶︎売場のやさしい英会話 公式サイトはこちら
6-3.immerse
「immerse」は、一人称視点でVR空間にいるアバターを操作しながら学習を行うプラットフォームです。音声会話や歩行、顔の向き、物を持つ、投げる等の動作も可能。遠隔地にいても同一のVR空間でコミュニケーションが可能なこの空間で、ネイティブの講師とつながることができます。
今後は、異文化体験や、バーチャルツアーを通じた文化体験学習、留学準備等、様々な学習コンテンツも開発していくとのこと。
語学学習だけでなく、異文化の理解を深めるということも大切ですし、VRだからこそリアルに学ぶことができそうです。
▶︎▶︎immerse 公式サイトはこちら
6-4.Mondly
全世界で2000万以上ダウンロードされた外国語学習アプリの「Mondly」。VR空間に存在する相手と会話のやり取りをし、学習を進めていく形のアプリです。
発した言葉に応じた返答や回答例もついており、正しい発音を聞くことも可能。
ちなみに、英語以外にも30カ国の言語に対応しています。スペイン語、フランス語、ドイツ語などなど。英語に慣れてきたたら、他の言語学習にもチャレンジできます。
▶︎▶︎Mondly 公式サイトはこちら
6-5.英語おもてなしガイド
英会話教室を運営する株式会社イーオンは、VRに対応した英会話学習のアプリ「英語でおもてなしガイド」を開発。
外国人観光客に対して英語で案内・おもてなしをするシーンをVRで再現し、没入感のある疑似コミュニケーションを通じて英会話力の向上を図ります。
受け答えの内容によって、相手の反応や展開が変わっていく“マルチストーリー”を採用しており、飽きずに繰り返し学習できるほか、臨機応変な英語でのコミュニケーションを学べます。
▶︎▶︎AEON ニュースリリースはこちら
6-6.スパルタ英会話
「スパルタ英会話」は、この3ヶ月で人生が変わるというキャッチコピーで、その名の通り本気の人向けの英会話スクールです。
2018年4月1日、英語でのスピーチ習得に特化した「スパルタVRコース」の提供を開始しました。スマートチューターを用いたサービスになっており、AIによる客観的かつ明確な分析が特徴的。発音や流暢さはもちろん、アイコンタクトや態度といった非言語領域の項目も評価項目に含まれています。
プレゼンやディスカッションなど、ビジネスシーンで英語を用いたい方には最適のサービスです。
▶︎▶︎スパルタ英会話 公式サイトはこちら
6-7.VR Chat
最後に紹介するのは、ソーシャルVRプラットフォーム「VR Chat」。VRゴーグルなしでも利用できます。ただし、より楽しく交流を持ちたいのであれば、VRゴーグルが必須。まるで、現実世界のように自分の身振り手振りとリンクさせながらアバターを操作できます。
VR Chatは、世界中のユーザーとVR空間でコミュニケーションがとれ、アバター同士で交流をすることが可能。VRChatを活用した英会話イベントなども開催されています。
▶︎▶︎VR Chat 公式サイトはこちら
7.まとめ
これまで、自宅で英語の勉強をするには音声教材を聞いたり、映像教材を見るしかありませんでした。
しかしVR英会話が登場したことで選択肢が広がり、オンラインでも、現実世界と同じ感覚で英会話クラスを提供することができます。
「オンライン教室の満足度を上げたい」「実践的な英会話を届けたい」という方は、選択肢の一つとして検討してはいかがでしょうか。
VRtipsを運営しているリプロネクストでは、英会話スクールにおけるAR/VRやメタバース活用について企画から開発までサポートしています。「こんなコンテンツは作れるだろうか」とお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
「VRtips」は株式会社リプロネクストが運営しています。
ビジネスでVRコンテンツや段ボール製VRゴーグルを活用したいという方は、
お気軽にご相談ください。