- 2023/06/14
- 2024/04/11
オンライン美術館とは?メリットや活用事例5選をご紹介
様々なオンラインサービスが提供される中、Web上で美術館での鑑賞気分が味わえる「オンライン美術館」が増えつつあります。
オンライン美術館は「美術館に行きたいけど、時間がなくて行けない」「遠くて足を運べない」といったユーザーの悩みを解消するほか、美術館を知ってもらうプロモーションツールとしても役立っています。
この記事では、オンライン美術館を活用するメリットと、実際の導入事例をご紹介します。
目次
1.オンライン美術館とは

インターネット上で、美術館にいるかのようにアート鑑賞ができるのが「オンライン美術館」。ユーザーは時間や距離の制約なく、自分の都合の良い時に24時間いつでもアクセスできます。
2.オンライン美術館の表現方法
オンライン美術館には、大きくわけて3つの表現方法があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
- 実写 360°バーチャルツアー
- 3DCG 360°バーチャルツアー
- メタバース
2-1.実写 360°バーチャルツアー
実際に存在する美術館を360°カメラで撮影し、バーチャルツアーとして公開するタイプです。美術館の館内を忠実に再現したい場合はこの方法がよいでしょう。
Googleストリートビューのように好きな方向へと進むことができ、詳細を見せたい場合はテキスト/写真/動画などの埋め込みもできます。
閉館する美術館や、期間限定の企画展のアーカイブとしても役立ちます。
2-2.3DCG 360°バーチャルツアー
実在の美術館の再現はもちろん、架空の美術館の表現もできるのが3DCGのバーチャルツアーです。物理的な制約がないため、自由度の高い表現にこだわりたい場合はこの方法がおすすめです。
実写 360°バーチャルツアーと同じく、テキスト/写真/動画などの埋め込みも可能。
3DCGの場合は、デジタル上で編集ができるため「レイアウトを変更したい」「展示物を変えたい」といった対応もスピーディーにできます。
一方で、実写タイプよりはコスト・制作期間がかかることを覚えておきましょう。
2-3.メタバース
メタバースのオンライン美術館は、アバター同士でコミュニケーションが取れるというのが特徴です。現実の美術館での会話は基本的に控えられますが、メタバース上で時間制にすれば、貸切状態で友人・家族とアート鑑賞ができます。
また、アーティストトークや展示販売会などのイベント会場としても役立ちます。インタラクティブな体験を届けたい場合はメタバースが適しているでしょう。
3.オンライン美術館のメリット
オンライン美術館を公開するメリットをご紹介します。
- 24時間365日鑑賞してもらえる
- 全国・海外へと発信ができる
- 人件費等のコスト削減ができる
- 空間を持ち運べる(商談やPRに)
3-1.24時間365日鑑賞してもらえる
オンラインだからこそ24時間365日アクセス可能な状態にでき、ユーザーのタイミングでコンテンツを体験してもらます。
常時公開するからこそ潜在顧客へのリーチにつながり、「次は現地に行ってみたい」「実際に自分の目でアートに触れたい」といった動機付けにもなりうるでしょう。
3-2.全国・海外へと発信ができる
実在する美術館の場合、「遠方だから訪れることができない」という物理的な事情で、お客様との接点を逃してしまう場合があります。ですがオンライン美術館であれば、遠方・海外に住んでいる見込み顧客にもアート体験を届けられ、潜在顧客へのアプローチにつながることでしょう。
3-3.人件費等のコスト削減ができる
実際の美術館であれば、維持費や人件費など様々なコストがかかります。一方で、オンライン上の美術館は一度公開すれば常時スタッフを配置する必要なく、ランニングコストを大幅に削減することができます。
「オンラインで作品の理解を深めてもらえるの?」と疑問に思うかもしれませんが、作品の詳細は動画やナレーション・写真等で解説することもできますし、メタバースを使えばリアルタイムに案内人を付けることも可能です。
3-4.空間を持ち運べる(商談やPRに)
美術館を持ち運んで紹介したり、案内することは不可能ですが、オンライン上であればパソコンやスマートフォンなどのデバイスを通じて、いつでも館内を紹介することができます。
例えば商談のシーンで館内のレイアウトを見てもらったり、遠方のイベントなどでバーチャル体験ブースを設置するなど、色々なシーンで活用できます。
4.オンライン美術館の事例
世界各地の美術館で、オンライン美術館が導入されている事例があります。
- 東京国立近代美術館(実写 360°バーチャルツアー)
- IJC MUSEUM(3DCG 360°バーチャルツアー)
- 大原美術館実写 360°バーチャルツアー(実写 360°バーチャルツアー)
- ルーヴル美術館(実写 360°バーチャルツアー)
- メトロポリタン美術館(実写 360°バーチャルツアー)
4-1.東京国立近代美術館(実写 360°バーチャルツアー)

東京国立近代美術館は、Googleが提供しているサービス「Google Arts & Culture」にて館内の様子を公開しています。
一部、モザイクがかかっている作品もありますが、美術館を独り占めしているかのようにゆったりと作品を見ることが可能。海外アートから日本画まで、様々な美術品に触れられます。
4-2.IJC MUSEUM(3DCG 360°バーチャルツアー)

こちらは、3DCGで作り上げたバーチャル美術館。訪日外国人向けに作られており、日本を代表する現代アーティストの作品を紹介しています。
総勢7組のアーティストの作品が展示され、MAPを表示させると見たいアーティストのフロアへと移動できます。
さらに特徴的なのは、作品自体を自分の見たい角度に動かして鑑賞ができること。現実では見られない角度から作品に触れられるのはバーチャル空間ならではです。
4-3.大原美術館(実写 360°バーチャルツアー)

岡山県にある大原美術館も「Google Arts & Culture」にてバーチャルツアーを公開しています。近現代美術を中心にコレクションを所蔵しており、モネやエル・グレコなどのヨーロッパを中心とした貴重な作品が多数展示されています。
バーチャルツアーだからこそ、作品を鑑賞するだけでなく、美術館に漂うレトロモダンな雰囲気まで楽しむことができます。
4-4.ルーヴル美術館(実写 360°バーチャルツアー)

世界3大美術館に数えられ、世界中から観光客が集まるパリのルーヴル美術館。
そんなルーヴル美術館の公式サイトには、バーチャルツアーが掲載されています。
詳細の説明が付いている作品もあり、じっくりとルーヴル美術館の魅力を堪能することができます。いつか行ってみたいと願う場所も、オンラインであれば一瞬にしてアクセスできるのです。
4-5.メトロポリタン美術館(実写 360°バーチャルツアー)

ニューヨークにある世界最大級の美術館・メトロポリタン美術館。
いつもは世界中から人が集まる美術館であっても、独り占めして鑑賞することができます。
メトロポリタン美術館では、360°動画を使ったバーチャルツアーも公開しており、こちらは静止画のタイプとは違い、日常の美術館を臨場感を持って疑似体験できます。
5.まとめ
オンライン美術館は、物理的に訪問できないユーザーの満足度向上や、潜在顧客にリーチするプロモーションツールとして役立ちます。集客や広報に関して新たな一手を検討中の方は、オンライン美術館も視野に入れてみると良いでしょう。
VRtipsを運営しているリプロネクストでは、オンライン美術館について企画から開発までサポートしています。「こんなコンテンツは作れるだろうか」とお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。