- 2023/05/16
- 2024/04/11
【行政×VR】活用メリットや最新事例4選、注意点を紹介
2021年に日本のデジタル化を推進する「デジタル庁」が発足。
DXの取り組みをはじめ、行政機関におけるデジタル活用は年々進んでいます。
今回は行政機関によるVRの活用に焦点を当て、VRを活用するメリットや実際の事例をご紹介します。
目次
1.行政機関がVRを活用するメリット
まず最初に、行政機関がVRを活用するメリットをご紹介します。
- リアルな雰囲気を伝えられる
- いつ、どこにいても体験してもらえる
- 業務効率化、コスト削減が図れる
- 安全な研修環境を提供できる
1-1.リアルな雰囲気を伝えられる
VRは360°コンテンツで“疑似体験”を届けられるのが特徴です。
写真や動画・テキストのような受動的な情報ではなく、体験者の能動的なアクションが可能になるため、現実感とともに記憶に残りやすい情報となります。
オンラインでありながら、現実に近い体験を届けたいという場合に役立つのがVRです。
1-2.いつ、どこにいても体験してもらえる
VRを活用した疑似体験は、オンライン上で24時間365日アクセス可能です。場所の制限もなく、インターネット環境が整っていればどこからでも見ることができます。
リアルな体験の場合は日程・場所が決まっていて、遠方の方は訪れるのが難しいケースもあります。予定が合わずに参加を断念する方もいるでしょう。
しかしVRを使ったコンテンツはこのような心配をすることなく、好きな場所・タイミングで見てもらえるので接点を持つことのできる潜在層の幅が広がります。
1-3.業務効率化、コスト削減が図れる
業務の効率化や人件費等のコスト削減にもVRが役立ちます。例えばVRを活用した仮想空間で会議を行うことで、移動にかかる時間はもちろん、交通費・会場設営費等の経費を削減することが可能です。
また、VRという体験型コンテンツを通して参加者同士で感覚的・視覚的な意思疎通が図れ、情報共有を円滑に行えるというメリットもあります。
1-4.安全な研修環境を提供できる
職員の研修面でもVRは有効です。例えば、警察官が危険且つ緊急性の高い状況下で適切な判断を行う能力を身につけることは非常に重要です。ただ、新人がそういった状況を実際に対応することはリスクが高く、機会もそう多くありません。
しかし、VRを活用すれば仮想空間上に再現した現場を使い、安全に訓練することが可能。さらに、何度でも繰り返せることで知識の定着にもつながります。
VRを使った実践的な訓練により、危機管理意識の向上やスキルアップだけでなく、教育に欠けるコストも削減できるといったメリットがあります。
▶︎▶︎関連記事:安全教育のVR最新事例10選【危険・災害を疑似体験で学ぶ】
2.行政におけるVR活用事例4選
それでは、行政機関でどのようにVRが活用されているのか具体的な事例をご紹介します。
全てVRtipsを運営するリプロネクストが制作を担当しております。それぞれの目的と活用方法を見ていきましょう。
- 法務省矯正局
- 東京都建設局
- 国立印刷局
- 警視庁
2-1.法務省矯正局
こちらは、刑務所の内部の様子や取り組みを一般に向けて360°公開した「刑務所バーチャルツアー」です。
新型コロナウイルス感染症の影響で対面での広報活動が困難となる中、オンライン上でも臨場感のある体験を届けられたらとバーチャルツアーを活用。「広く多くの方にコンテンツを届けたい」というテーマから、パソコンやスマートフォンでの体験を想定しています。
刑務所内の360°実写画像とともに食事の様子、医療体制、職業訓練などの様子を伝え、最後にはクイズを用意し、理解を深めてもらうポイントを作っています。
こちらのコンテンツは、法務省矯正局のホームページにて発信されています。
▶︎▶︎法務省矯正局 事例紹介はこちら
2-2.東京都建設局
こちらは東京都の河川施設を紹介する「東京都 河川施設 360°バーチャルツアー」。東京都の河川事業に関する取り組みや、施設の役割を幅広い世代の方にご理解いただけるようにという想いで制作・公開したプロモーションコンテンツです。
特設サイト内では、VR動画とバーチャルツアー(VR静止画)を使い分け、普段は見ることができない施設内部の様子などを発信しています。現実では見学不可能な場所も、臨場感を持って見てもらえるのはVRの強みと言えるでしょう。
▶︎▶︎東京都建設局 事例紹介はこちら
2-3.国立印刷局
私たちが日常で使っているお札を印刷している国立印刷局。
新型コロナウイルス感染症の影響でこれまで行っていた工場見学の実施が困難に。安全な状態で展示室・工場内を紹介することで、お札の製造工程や偽造防止の工夫などを知ってもらいたいという想いから誕生したのが「オンライン工場見学」です。
オンライン工場見学では「展示室」「印刷工場」の2エリアを公開しており、通常は入ることのない製造現場の様子も360°見学気分を味わえます。
コンテンツ内に埋め込まれているボタンをクリックすると、機械の動きなどがわかる動画を閲覧することも可能です。
▶︎▶︎国立印刷局 事例紹介はこちら
2-4.警視庁
警視庁では、採用向けに仕事体験VRコンテンツと配布向けのスマホ用VRゴーグルを用意しています。
同庁では毎年多くの採用を行っていますが、保護者のご意見などで内定辞退者が一定数いたため、入庁後の働くイメージをリアルに伝えるためにVRを活用。
実際の仕事の様子を疑似体験として届けることで、安心感を持ってほしいという想いが込められています。またVRを使うことで時間や場所の制約なく、家族や親戚にも体験を共有できるメリットがあります。
▶︎▶︎警視庁 事例紹介はこちら
3.VRを検討する際に確認しておきたい項目
最後に、VRの活用を検討するにあたり事前に押さえておきたい項目をお伝えします。
- 利用目的/ターゲット
- 予算/利用時期
3-1.利用目的/ターゲット
最も重要なのが、「VRを活用できるか」と思った目的や背景を制作会社に伝えることです。
制作会社としては、どんな課題やお悩みを持ってご相談くださったのかを深く理解することが大切。その後のコンテンツの内容や表現方法にも繋がります。
・コロナ禍で対面のイベントができないけど、リアルなイメージを伝えたい
・VRを使い、遠方の職員にも同じ研修内容を届けたい
というような、ざっくりとしたご相談でも大丈夫です。「VRってこんなことできる?」でも構いません。そこからヒアリングを進め、どのような解決策があるかを練っていきます。
3-2.予算/利用時期
予算が決まっていれば、制作会社にお伝えしましょう。予算に合わなかった場合でも、撮影・編集方法や表現の工夫で最適解が見えてくることもあります。
また、利用時期が決まっていれば明確に伝え、未定であればその旨を伝えましょう。急ぎで制作を考えている場合は、率直に希望納期を伝えることが大切です。
4.まとめ
事例を見ていただいたことで、行政機関のプロモーションや採用活動にもVRの技術が活用されていることがおわかりいただけたと思います。そのほかにも研修や業務効率化など、内部のDXにも役立てることができるので、今後も更に活用の幅は広がっていくことでしょう。
VRtipsを運営しているリプロネクストでは、行政機関におけるVR活用について企画から開発までサポートしており、これまでの事例もございます。
「こんなコンテンツは作れるだろうか」とお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
「VRtips」は株式会社リプロネクストが運営しています。
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