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  • 2022/11/10
  • 2024/04/11

【VR×企業研修】効果やメリットは?12の最新事例や導入費用を紹介

どの業界でも人材不足が叫ばれている中、最近では、VRを使った体験型の映像を新人研修で活用している企業が増えてきています。

VRは仮想世界をまるで現実のように体験できるので、研修に伴う移動コストや人件費を削減して効率的に実施することができます。

この記事ではVR研修のメリットやデメリット、VR研修を導入する企業の事例をご紹介します。

「新人研修にVRを活用するメリットって?」
「VR研修の活用について、具体的に知りたい」

など、新人教育にVRの活用を検討中の方はぜひご覧ください。

1.VR研修とは

VR 研修 イメージ

VR研修とは、VR技術を活用して行う研修のことです。

VRの特徴である仮想空間の中でリアルに研修現場や研修内容を再現することで、スキル向上や研修の効率化が期待でき、今注目を集めている研修方法です。

2.VR研修を行うメリット5つ

それでは、企業がVR研修を導入するメリットをご紹介します。

  • 指導人員の削減ができる
  • 同じ研修を何度でも行える
  • コスト削減に繋がる
  • 現実では困難な研修も実施できる
  • 大人数でも研修が可能

2-1.指導人員の削減

専門知識の習得や業務の指導が行われる社員研修では、指導員が必要です。ですが、企業によっては人員の確保が困難だったり、十分な指導員を揃えて社員研修を行えないことも。

しかしVR研修は、VRコンテンツを使って、受講者のみでの研修が可能です。

指導員に依頼する必要がないので、人員確保が難しい企業でも研修を行うことができるのです。

2-2.同じ研修を何度でも行える

社員研修を行うタイミングは会社によって様々。新入社員が加わったときはもちろん、中途採用を行なっていれば、会社内で定期的に行われる場合もあるでしょう。

また指導員によって、指導内容にズレが生じてしまう課題を抱えている企業もあるのではないでしょうか。VR研修では、同じ研修内容を何度でも繰り返し使用できます。

指導内容が変わることなく社員全員に伝えられるので、指導の差も生じにくくなるのです。

2-3.コスト削減に繋がる

対面の社員研修では、研修用の会場を借りたり、実地研修で遠方へ行ったりと、準備や移動に様々なコストがかかっていました。また、指導員に依頼するにも人件費がかかります。

ですがVRコンテンツは一度作ってしまえば、いつでもどこでも疑似体験が可能になり、これまでかかっていた上記のコストが必要ありません。

従来のリアルな研修で必要だった教育費を大幅にカットして、研修を実現できます。

2-4.現実では困難な研修も実施できる

業種によっては、業務時に起こりうる事故から身を守るための安全研修があります。
ですが、そのような危険な状況は再現できないことがほとんど。

VRであれば、仮想空間で実際の事故現場を再現することができるので、”体験”として覚えながら、研修を受けることができ、より受講者の安全意識を高められるでしょう。


▶︎▶︎関連記事:安全教育のVR最新事例10選【危険・災害を疑似体験で学ぶ】

2-5.大人数でも研修が可能

対面となると人数やスペースが限られ、複数回に分けられることもある社員研修。
VRで体験ができれば、大人数の採用でも一回で伝えることができるというメリットがあります。

全国にいくつもの拠点を持つような大企業であれば、代表挨拶をVRで全職員に向けて届けることもできます。また、新型コロナウイルス感染拡大のような一箇所に人が集まることが難しい状況でも、VRを使うことで大勢の社員に体験してもらうことが可能です。

3.VR研修を行うデメリット3つ

VR研修の導入にはまだまだ課題もあります。ここではデメリットを3つご紹介します。

  • 導入コストがかかる
  • VR酔いの可能性
  • VR研修の知識・事例が少ない

3-1.導入コストがかかる

VR研修には、コンテンツの制作費やVRゴーグルの導入など、最初に必要なものを揃えなければなりません。

VRゴーグルはリーズナブルなものから高価なものまで様々なタイプが登場していますが、VR研修を行う上では必要となるでしょう。

また、コンテンツ制作の費用は研修内容によっても前後しますが、現場のリアルな再現映像やCG技術が必要な場合、高額になることも。

一方でVR研修は、一度制作すれば繰り返し使用できます。長期に渡り使用できることを考えると、VR研修の導入はメリットの多いものと言えるでしょう。

3-2.VR酔いの可能性

VR酔いとは、VRを使用することで頭痛や倦怠感など、車酔いのような症状が起こること。
視界は動いているのに身体は動いていないという、感覚のズレから生じる現象です。

乗り物酔いをしやすい方など、社員によってはVR研修が難しい方もいるでしょう。

しかし、VRゴーグルの形状や使い方によっては、VR酔いを緩和できます。VR酔いの原因や対策方法を知っておくことが大切です。

3-3.VR研修の知識・事例が少ない

VR研修は企業で導入が増えつつありますが、

「どんな研修内容にすれば良いかわからない」

「VR研修のイメージができない」

といった、VR研修への知識がない方も多数いらっしゃいます。

そこで、効果的な研修コンテンツを作るためにも、目的や対象者、研修から得てほしいことをあらかじめ決めておくのがおすすめです。制作会社にそのイメージを伝えることで、その後の流れがスムーズになるでしょう。

4.VR×企業研修の最新事例12選

それでは、VRを活用した社員研修の事例をご紹介していきます。

  1. 長岡市IoT推進ラボ【製造業】
  2. 株式会社インフィニットループ【システム開発業】
  3. 凸版印刷株式会社【印刷業】
  4. 株式会社興和【建設業】
  5. セコム株式会社【警備業】
  6. 東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)【鉄道業】
  7. 株式会社松屋フーズ【飲食業】
  8. ヒューマンライフケア株式会社【介護事業】
  9. 株式会社 難波製作所【製造業】
  10. イオンリテール株式会社【小売業】
  11. エヌ・ティ・ティラーニングシステムズ株式会社【人材育成】
  12. 外国人材教育VR【介護】

4-1.長岡市IoT推進ラボ【製造業】

VRtipsを運営するリプロネクストは、製造業の研修用VR動画を制作しました。

「きさげ技術の後継者を増やしたい」ということで、きさげ技術の基礎や、技術者の感覚的な部分を先輩の隣で教わっているような疑似体験ができるコンテンツに仕上げています。



▶︎▶︎長岡市IoT推進ラボ きさげ技術継承VR動画紹介ページはこちら

4-2.株式会社インフィニットループ【システム開発業】

ゲーム開発・アプリケーション開発を行う「株式会社インフィニットループ」は、「VR社会人研修システム」を開発。名刺交換や挨拶などのマナー研修をVR内で行うことができるシステムです。

開発したシステムは、VR機器があればどこからでも受講可能。そのため、講師は会社から、受講者は自宅からというように場所を問わずに実施できるのです。

アバターを介してリアルタイムで指導を受けられるので、その場で悩みを解決できたりとビジネスマナーの理解を深められるでしょう。

4-3.凸版印刷株式会社【印刷業】

印刷会社「凸版印刷株式会社」では「巻き込まれ体感機 for VR」を開発し、従業員の安全教育を行なっています。

従業員の安全意識向上のために開発されたVR研修コンテンツで、機械に巻き込まれた場合の体験ができるというもの。VR映像と連動して事故が起きた場合の体験をすることで、災害時の危機感を体感できます。

短期間で安全作業の大切さを学べるようになり、従業員一人ひとりの安全意識向上とともに事故発生予防に繋げています。

4-4.株式会社興和【建設業】

株式会社興和 VR研修

株式会社興和のVR研修コンテンツを、リプロネクストが担当いたしました。

こちらは、若手社員への事前研修として活用しており、現場に出たらどんな場所で作業するかを知ることで従業員の意識向上に役立てています。

以前は研修現場までの交通費や移動時間がかかっていましたが、VR研修を導入してコストを大幅に削減。社員研修の効率化に成功しました。

4-5.セコム株式会社【警備業】

セコム株式会社
出典:セコム株式会社

警備会社「セコム株式会社」は、警備業界初発のVR研修を導入しています。

VR研修の内容は、「煙が充満した空間での避難誘導」といった火事現場を想定した擬似体験。

もしもの危険シーンを事前に体験し、社員の危機管理力の向上に繋げています。

VR研修導入前は準備に多くのコストがかかる上、危険性が高く体験できませんでした。

VRを導入することでリアルに、そして安全な研修が実現しました。

▶︎▶︎セコム株式会社 プレスリリースはこちら

4-6.東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)【鉄道業】

東日本旅客鉄道株式会社
出典:SoftBankホームページ

「東日本旅客鉄道株式会社」のVR研修では、鉄道の三大労災と言われる「触車」と「墜落」の2つにスポットを当てた研修を実施。事故を疑似体験することで危険性を再確認し、社員の安全意識が高まるような研修を行いました。

VRコンテンツを導入したことで集合研修を行う必要がなくなり、それぞれの職場で疑似体験ができるようになりました。

▶︎▶︎東日本旅客鉄道株式会社のVR研修詳細はこちら

4-7.株式会社松屋フーズ【飲食業】

株式会社松屋フーズ
出典:積木製作ホームページ

有名牛丼チェーン店「松屋」は、新人アルバイト向けの研修にVRを導入。

VR研修には「判定」機能が搭載されており、トレーを運ぶ動作や挨拶の声、目線などを細かくチェックし、定められた基準にクリアしないと先に進めない仕組みになっています。

ナレーションも入っているので動作も迷いが生じにくく、ゲーム感覚で進められるので楽しく覚えられそうです。

▶︎▶︎株式会社松屋フーズのVR研修詳細はこちら

4-8.ヒューマンライフケア株式会社【介護事業】

ヒューマンライフケア株式会社
出典:PRTIMES

「ヒューマンライフケア株式会社」は介護事業を展開しており、VR研修にも力を入れています。

介護スタッフを対象に行なっているVR研修では、危険な場所を探す訓練等を実施。介護現場で事故が発生した場合にしっかり対応ができるように、現場での事故予防や社員の育成に努めています。

また、利用者の視点を体験できるコンテンツでは、利用者の気持ちを感じることも。

現場に出た際の対応力向上に繋げることができています。

▶︎▶︎ヒューマンライフケア株式会社 プレスリリースはこちら

4-9.株式会社 難波製作所【製造業】

技術継承VRコンテンツ イメージ

精密板金加工メーカーの難波製作所では、社内にて技術の共有が急務となる中「資料が紙のみで、実践するには分かりづらい」「作業自体が属人的になっている」という課題があり、「技術の見える化」に向けてVRを活用しました。

こちらのVR動画は、加工技術の手順を先輩が教えてくれているような構成になっており、実践前の予習や実践後の復習として使う目的で制作しました。

▶︎▶︎株式会社 難波製作所のVR研修詳細はこちら

4-10.イオンリテール株式会社【小売業】

イオンリテール
出典:PR TIMES

イオン株式会社は国内小売業としては初めて、全店舗にてVR従業員教育を導入しました。

これまでは動画で行なっていた研修をVRにすることで、実務のトレーニングとして従業員の教育機会拡大と習得レベルの標準化に繋げています。

「わかる」だけでなく「できる」ようになるための実習を行い、教育担当者の負担も減らしながら従業員のサービス力向上を目指しています。

▶︎▶︎イオン株式会社 プレスリリースはこちら

4-11.エヌ・ティ・ティラーニングシステムズ株式会社【人材育成】

ハラスメント研修VRパッケージ
出典:NTTLS

企業向けハラスメント研修のVRコンテンツも登場。VR特有の没入感により、通常の映像では得られないような臨場感、圧迫感のある当事者視点の疑似被害を体験できます。

さらに、360度全周映像による職場仲間の視線・表情などの視聴体験を通して、職場環境型ハラスメントが職場へ与える影響を考える効果的な体験研修を実現するものとなっています。

言葉や動画だけでは伝わりにくい、その場の雰囲気をリアルに感じ取ることのできるVRならではのコンテンツです。

▶︎▶︎エヌ・ティ・ティラーニングシステムズ株式会社 プレスリリースはこちら

4-12.外国人材教育VR【介護】

外国人人材に向けた介護教育VRになっており、VRを通して介護体験をすることで、集中して介護実習ができ、言語の壁を超えて介護スキルを習得できます。

また、外国と日本の介護現場の違いを映像でリアルに伝えられるため、非常に効果的です。

5.VR×新入社員研修の事例3選

ここでは新入社員研修に関わるVRを導入している事例を3つご紹介します。

・入社初日体験
・名刺の渡し方
・ホスピタリティ入学研修

5-1.入社初日体験

事例一つ目は、入社初日体験です。

入社式当日というのはおめでたく嬉しいイベントではありますが、一方初めてのことで緊張をする方もいるでしょう。

そんな方に向け、事前に入社初日のVR映像を提供し、入社初日の雰囲気を伝えているのが、GMOペパボ株式会社の入社初日体験です。

社内ツアーをしており、GMOペパボ株式会社の社内の雰囲気や、どのようなオフィスなのか分かりますね。

こちらはビジネスリーダーを目指す社会人が学ぶグロービス経営大学院大学の入学式の様子。

学長・堀さんのオープニング・スピーチをVR体験できます。

スピーチ内容や、グロービス経営大学院大学の雰囲気が伝わります。

5-2.名刺の渡し方

事例二つ目は、名刺の渡し方です。

この動画では、社会人には欠かせないビジネスマナーである名刺交換をVR映像で提供しています。

実戦形式のVR動画になっており、現場で使われる名刺交換の実情を確認できます。
従来の研修ではなくVR動画のみでも、十分に名刺の渡し方が伝わりますね。

5-3.ホスピタリティ入学研修

事例三つ目は、ホスピタリティ入学研修です。

こちらは企業ではないですが、ホスピタリティツーリズム専門学校/ 東京ブライダル専門学校のホスピタリティ入学研修の様子が確認できます。

楽しい雰囲気が伝わり、緊張しがちな入学式が待ち遠しくなるような印象です。

6.VR研修の制作は自社でできるのか

VR研修コンテンツは、360°撮影できる専用のカメラや編集ソフトがあれば個人で作ることが可能です。

ただし制作には、撮影技術と編集スキルが求められます。クオリティの高いコンテンツを制作するには時間やコストがかかりますので、初心者の方は難しいかもしれません。

VR研修コンテンツの制作は、専門業者に依頼することをおすすめします。

依頼する前は、あらかじめ制作イメージや予算設定をしておきましょう。

7.VR研修の導入費用について

コンテンツの内容や制作会社によって導入費用は前後します。

オリジナルのVRコンテンツを制作する場合は導入コストも高額になりますが、理想のVR研修コンテンツを制作できます。金額は数十万円~数百万円程度でコンテンツによって幅広いです。

また、既に存在するVR研修コンテンツを導入することも可能。その場合パッケージやレンタルで導入する形になりますが、比較的安価に導入できるのがメリットです。ただイメージと違ったり、理想とするコンテンツに仕上がらない場合もあるので注意が必要です。

VR研修コンテンツは、目的を明確にした上で導入しましょう。こちらでご紹介する導入費用は、目安として参考にしてください。

オリジナルVRコンテンツ

約50万~1000万円

パッケージVRコンテンツ

約30万~100万円

レンタル

月額5万~30万円

8.まとめ

VRを社員研修で活用するメリットとデメリット、最新の導入事例についてご紹介しました。
従来の研修だと話を聞いたり、テキストで学んだりなど受け身になりがちですが、VRを用いることで体験型の研修を実現でき、楽しく自主的に学ぶことができます。

またVRを使うことで、研修の効率化や準備に必要だった各種コストを抑えられます。
よりスマートに、そして効果的に研修を行うことは社員の満足度向上や会社の魅力作りにも繋がるはずです。

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