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  • 2023/02/06
  • 2024/04/11

【認知症×VR】予防や社員研修のVR活用事例を紹介

厚生労働省の発表によると、2025年には高齢者の約5人に1人が認知症になると予測されており、今後日本は認知症に対する取り組みを重視していく必要があります。

そんな中で、認知症の予防や治療、サポートにも役立つとされているのがVRです。

当記事では、認知症の取り組みにVRを活用するメリットや課題、活用事例を紹介します。

1.認知症×VRの活用方法とそれぞれのメリット

認知症×VRの活用方法は、大きく分けて以下の3つがあります。それぞれの具体的な活用方法とメリットをご紹介します。

  • 認知症の予防にVRを活用
  • 認知症の治療にVRを活用
  • 認知症患者のサポートにVRを活用

1-1.認知症の予防にVRを活用

認知症には「認知症予備軍」といわれる軽度認知障害があり、この段階で予防することで発症を防ぐことが可能です。食生活の改善や運動不足解消などの対策がある中、認知機能の訓練も予防に役立ちます。
この訓練プログラムにVRを使って脳をトレーニングすることで、認知能力の向上が期待できます。仮想空間の中で自分の見たい方へ360°視線を動かすことができるため、単なる映像の視聴ではなく、体験型の訓練を行うことができます。

また、プログラムによっては軽い運動を含んだゲームなどもあるため、飽きずに楽しみながら予防に取り組むことができるでしょう。

1-2.認知症の治療にVRを活用

認知症の治療法の一つである「回想法」にVRの技術が役立ちます。

回想法は、馴染みのある風景や音楽を見たり、触れたりしながら、昔の経験や思い出を語り合う心理療法。この馴染みのある風景などをVRで体験することで、写真で見るよりもよりリアルなイメージが呼び起こされ、脳の活性化が期待できます。

また、VRはどこにいても体験できるというメリットがあるので、自宅で治療を行う場合にも活用できるという利便性があります。

1-3.認知症患者のサポートにVRを活用

認知症は、患者本人だけでなく身の回りをサポートする家族や介護士の理解も必要です。相手の行動を理解し、共感できれば、相手の立場を考えながらコミュニケーションが取れるため、お互いにより良い関係を築くことができます。

そこでVRを活用して認知症を疑似体験することで、どんな想いや苦労を感じているのか理解し、共感することが可能に。

家族の理解促進はもちろん、介護スタッフのトレーニングや育成コンテンツとして役立てることもできます。

2.認知症に対してVRを導入する上での課題

認知症の治療やサポートにVRを活用するには、いくつかの課題もあります。

2-1.導入に初期費用がかかる

VRコンテンツの開発と体験用VRヘッドセットの用意が必要となるため、初期費用がかかります。

動画制作等に比べると制作費用はかかってしまいますが、VRでしか体験できないコンテンツとして使い続けることができます。有用性の高いものとして、長期的に見るとコストに見合った効果を得られるでしょう。

2-2.VR酔いの可能性がある

VRを利用することで、乗り物酔いに似たような症状が現れることをVR酔いと言います。VRの利用に関して高齢者の方への年齢制限は設けられていない場合が多いですが、利用中に酔いを感じる場合があるので長時間の使用は避けましょう。

以下の記事ではVR酔いについて詳しく紹介しているので、気になる方は合わせてご覧ください。


▶︎▶︎関連記事:VR酔いの原因や対策方法はありますか?

2-3.デバイスの普及

VR体験にはVRヘッドセットが必要ですが、まだ世の中に広く普及していないのが現状です。そのため、VRヘッドセットの使い方についてレクチャーをしたり、セッティングをしたりと、サポートできる人員が必要になります。

しかし、ここ数年でVR体験ができるデバイスは大きく進化しており、最近ではメガネのように気軽に装着できるタイプも発売されています。

▶︎▶︎関連記事:【2023年最新】VRヘッドセット12選!選び方のポイントも紹介

3.認知症×VRの活用事例を紹介

最後に、認知症×VRの活用事例をご紹介します。

  • 認知症予防×VR
  • 認知症治療×VR
  • 認知症体験×VR

3-1.認知症予防×VR

脳トレーニングゲームアプリ「ENHANCE(エンハンス)」
出典:PRTIMES

高齢者住宅の企画開発から運営管理までを行う株式会社ジェイ・エス・ビーは、VRを使用した脳トレーニングゲームアプリ「ENHANCE(エンハンス)」を使った認知トレーニング実証実験を約2ヶ月間行いました。

認知症を患っている方を含む利用者の皆さんが館内の食堂スペースに集まり、VRゴーグルとコントローラーを使って記憶力や注意力などを測定する10のゲームを体験。ゲームの操作に慣れ、楽しんでいる入居者も多く、参加への負担なく取り組めたようです。

脳トレーニングVRゲームが、認知機能の維持向上にどのような効果をもたらしたのか。結果は今後分析されるようです。

▶︎▶︎株式会社ジェイ・エス・ビー プレスリリースはこちら

3-2.認知症治療×VR

こちらは高齢者や認知症患者のために開発されたVRセラピーアプリ「LookBack VR」。認知症治療の一つである「回想法」をVRで体験できます。

患者の希望する時代や場所に基づき、世界中のVR動画から最適なものを選択。VRヘッドセットを装着した患者の目の間には、タイムスリップをしたかのようにリアルな映像が広がります。

思い出した記憶を言葉に表すことで脳の活性化が促進され、症状の改善が期待できます。

▶︎▶︎Look Back VR 公式サイトはこちら

3-3.認知症体験×VR

サービス付き高齢者向け住宅「銀木犀」を運営する株式会社シルバーウッドが提供する認知症体験コンテンツ。
認知症の症状は「物忘れ」だけではなく、人それぞれ様々な症状があります。このコンテンツでは、様々な症状から起きる、日常生活を送る上での“困難さ”を実話をもとに再現しています。

実際に認知症の方の立場を疑似体験することで、街中や電車の中、家族との会話の中など様々な場面で、認知症の方々がどんな状況にあるのか(何を求めているのか、どんな気持ちなのか)ということが想像できるようになります。気持ちを理解し、寄り添えるような、より良いケアにつなげることができそうです。

▶︎▶︎VR認知症 公式サイトはこちら

4.まとめ

VRは、認知症患者の予防や治療に役立てるだけでなく、患者の周囲のサポート力向上も期待できます。
今後もVR技術や通信システムの進化に伴い、認知症への取り組みに貢献するコンテンツが増えていくことでしょう。

医療や福祉、介護業界の課題を解決に導くVR活用に注目です。

VRtipsを運営しているリプロネクストでは、認知症予防・研修におけるAR/VRやメタバース活用について企画から開発までサポートしています。「こんなコンテンツは作れるだろうか」とお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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